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ものづくり補助金は2期連続赤字や債務超過の状況でも採択されることは可能か!?

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高額な設備投資は中小企業にとって負担が重いため、補助金の利用を検討する事業者は多いでしょう。

中小企業や小規模事業者にとって、補助金はとても心強い支援策です。その中でも「ものづくり補助金」は、補助額の最大が1000万円と高額であることから、とても人気の高い補助金制度です。

 

しかし、審査で決算書などを見られるため、財務状況が良くない企業は不利であるといった話もあります。はたして、赤字や債務超過の企業であっても採択されるのでしょうか?赤字、債務超過といった財務状況に不安のある事業者がものづくり補助金に採択されることができるのかについて説明します。

 

 

ものづくり補助金に財務状況は関係するか?

ものづくり補助金の審査において、申請した企業の財務状況は大いに影響します。それは、公募要領に記載されている以下の内容からも明らかです。

事業実施のための体制(人材、事務処理能力等)や最近の財務状況等から、補助事業を適切に遂行できると期待できるか。金融機関等からの十分な資金の調達が見込まれるか。

出典:平成30年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金【2次公募要領】

なぜ財務状況が問われるのかは、ものづくり補助金の制度内容や提出書類などを見れば、察しがつくはずです。それぞれの内容から、その理由を探っていきましょう。

 

ものづくり補助金の概要

まずは、ものづくり補助金の制度概要について、簡単に説明します。

ものづくり補助金は、経済産業省が所管する補助金制度です。2月頃からおよそ2ヵ月間、公募(一次公募)が行われます。なお、一次公募で予算に達しない場合は、夏以降に二次公募が行われます。

 

ものづくり補助金の採択率は比較的高く(1次公募で50%程度)、比較的取りやすい補助金制度です。過去2年の採択率は、下表をご参照ください。

 

年度

公募

応募数

採択数

採択率

平成30年度補正

一次

14,927

7,468

50.0%

二次

5,876

2,063

35.1%

平成29年度補正

一次

17,275

9,518

55.1%

二次

6,355

2,471

38.9%

 

補助金の対象となるのは、

生産性向上に資する革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等(公募要領より)

です。

 

ものづくり補助金は中小企業または小規模事業者が対象であって、大企業は申請できません。

なお、補助率は1/2(一定の要件を満たすと2/3にアップ)補助上限額は原則1000万円です。

 

余談ですが、そもそも「ものづくり補助金」は通称で、正式には「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。しかし、この名称は平成30年度補正予算(令和元年度公募)のものであり、それ以前は以下のように、年度によって異なります。

 

・平成29年補正予算(平成30年公募)
「ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」

 

・平成28年度補正予算(平成29年公募)
「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」

 

令和2年も正式名称が変わる可能性があります。申請予定の方は、戸惑わないようにしましょう。

 

ものづくり補助金とは?

 

審査で財務状況を精査する理由

ものづくり補助金の制度内容で注目すべきポイントが、補助金の上限額と補助率です。

先述のとおり、補助率1/2(一定要件を満たすと2/3)、補助上限額は原則1,000万円に設定されています。これは、購入した設備費用の1/2(もしくは2/3)を補助金で賄うことができ、補助金で賄える上限額が1,000万円まで、ということを意味です。

 

たとえば、2,000万円の設備を購入する場合、その1/2の1,000万円は補助金で賄えますが、残り1,000万円は事業者が自腹で支払う必要があります

補助率2/3の要件を満たした場合、1,500万円の設備投資に対して、その2/3である1,000万円の補助金を受給することができますが、残り500万円は事業者で負担しなければなりません。

 

しかも、ものづくり補助金は清算払い(後払い)です

一旦、事業者が設備投資費を全額支払い、その後、補助金を受給するという流れになります。つまり、事業者側は設備投資するときに、ひとまず全額を用意する必要があるのです

 

ものづくり補助金の対象となる説明投資は数百万円~数千万円という規模でもあり、金融機関からの融資などを活用するケースも多くなります。そのため、ものづくり補助金の審査では、資金調達の可能性についても確認されています。融資審査に通る見込みがなければ、そもそも事業として成り立たないと見られてしまいます。そのため、融資審査に通ると言える程度の財務内容が必要になるのです。

 

ものづくり補助金はこのようなルールで運用されているため、財務状況の精査が必要となります。採択した事業者の財務状況が悪く、無茶な設備投資によって財務状況がさらに逼迫し、倒産してしまっては本末転倒です。

 

財務面で、補助事業を適切に遂行できないと判断されれば、そもそも補助金を支給する意味がありません。これが、審査時に財務状況を精査する理由のひとつでしょう。

 

 

過去2期分の決算書の添付が必要

ものづくり補助金の申請時には、前2年分の決算書の提出が求められます。

貸借対照表、損益計算書、個別注記表に加え、作成していれば製造原価報告書や販売管理費明細を提出します。なお、個人事業主の場合は、確定申告書等を提出します。

この点も、ものづくり補助金の審査に、財務状況が影響する根拠のひとつでしょう。

 

経済産業省が行う中小企業向け補助金制度である「小規模事業者持続化補助金」でも決算書の提出が求められますが、直近1年分で足ります。同じく経済産業省が所管する「IT導入補助金」は、申請時に財務状況を記入する必要はありますが、決算書の提出までは求められません。

 

つまり、ものづくり補助金は他の補助金制度と比べて、より詳しく財務面を審査されることがうかがえます。

 

しかも、審査を務めるのは中小企業診断士などの有識者ですので、決算書で不可解な点があれば見逃さないでしょう。

以上のことも含めて、ものづくり補助金は財務状況を精査されるものと頭に入れておきましょう。

 

赤字、債務超過の会社がものづくり補助金に申請するポイント

 

赤字・債務超過で申請するポイント

それでは、赤字、債務超過といった状況でものづくり補助金に申請することは不可能なのでしょうか。

 

たしかに赤字、債務超過でものづくり補助金に申請する場合、採択される確率は黒字企業に比べて低くなりがちです。しかし、赤字、債務超過の企業が申請を制限されているわけではありません。採択されて補助金を受け取れる可能性は十分にあります。

 

赤字、債務超過など、財務状況に不安のある企業がものづくり補助金に申請する際に気を付けておきたいポイントを整理しておきましょう。

 

金融機関に資金調達を相談しておく

赤字、債務超過の企業の場合、事業を遂行できる財務的な能力があるかどうかが重要なポイントになります。

補助金申請後の審査において、「自己資金が無い」、「金融機関から調達することも難しい」と判断されてしまうと採択確率は大きく低下してしまいます。

 

そのため、申請前に金融機関と資金調達に関する相談を行っておくことが大切です。

 

そのうえで、「補助金が採択されれば、融資を受けられる内諾を得ている」のが理想です。

資金調達の目途が立っていれば、財務状況が悪くても、事業遂行の見込は高くなり、採択されることも不可能ではなくなります。

 

なお、アステップ・コンサルティングでは資金調達に関するサポートも同時に行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

実現性のある事業計画をつくる

ものづくり補助金の最も重要なことは、設備投資によって利益を増加させることのできる、実現可能性の高い事業計画を作ることです。現在、赤字、債務超過である中小企業の場合、赤字から黒字に転換して利益を生み出すことが不可欠です。

 

そのためには、赤字である原因を特定し、改善する施策を織り込むことも大切です。

赤字を解消して、ものづくり補助金が求める生産性の向上を実現する事業計画を作成することが大切です。

 

赤字・債務超過企業の再建に利用できるか

単刀直入に結論を述べると、赤字続きや債務超過の企業が「ものづくり補助金」を受けるには、ハードルが高くなってしまいますので、事業計画の作り込みや、申請書作成に対する努力が必要です。

 

ものづくり補助金は赤字続きや、債務超過の企業でも申請できます。

赤字や、債務超過などの財務内容を理由として、申請を制限するような条件はありません。

 

実際、ものづくり補助金の公募要領には、「営業損失を計上する会社は対象外」や「債務超過の事業者は申請不可」といった記載はありません。しかし、赤字が2期以上続く企業や債務超過の企業が採択される確率は低いとも言えますが、要件を充足する事業計画などの作成が難しいということも原因になっているでしょう。

 

前述の条件をクリアして申請すれば、赤字、債務超過であっても、ものづくり補助金を受けることは可能です。

 

赤字、債務超過であってももの補助を受け取ることはできる

 

 

法人税の納付状況(滞納)は関係するか?

都道府県や市区町村などの補助金制度は、ほとんどの場合、税金を滞納している事業者は申請できません。

また、経済産業省が所管する補助金でも、IT導入補助金は申請時に納税証明書の添付が求められており、税金を納めていることが採択要件になっています。

 

他方、ものづくり補助金の公募要領には「税金の滞納者は申請不可」といった内容の記載は見当たりません。つまり、申請すること自体は可能です。

 

しかし、申請時には2期分の決算書の提出が求められているため、税金に未払いがあるかどうかは、決算書を見ればわかります。

そもそも補助金の財源は税金です。納めるべき税金を納めていない企業に補助金を支給するというのも、筋が通りません。税金滞納者は申請することはできますが、採択されるのはかなり難しいと考えるのがベターでしょう。

 

なお、申請、採択が難しいのは「滞納」や「未払い」の状況です。税務署と相談しながら行う「分納」や「猶予」は滞納にあたりません。

 

 

アステップ・コンサルティングの特徴

アステップ・コンサルティングは「経営コンサル」、「資金調達」に強みをコンサルティング会社です。

数多くの企業の「資金調達」や「事業再生」に関する実績があります。

 

現在は赤字の状況であっても、金融機関の資金調達に関する交渉に加え、黒字化を達成する事業計画の作成もサポートいたします。

 

ものづくり補助金の申請を検討されているのであれば、まずはアステップ・コンサルティングにご相談ください。

▼アステップ・コンサルティングへのご相談
ご相談/お申込み

 

 

 

まとめ

今回はものづくり補助金の申請を「赤字(特に2期連続赤字など)」や「債務超過」の企業が申請できるのか、加えて、採択されることはできるのかという点を取り上げました。ここまで述べてきた内容をまとめると、以下のようになります。

・ものづくり補助金の審査では、財務面が大きく影響する

・赤字続きや債務超過の企業が採択される可能性は低い

・税金を滞納していても申請はできるが、採択率は低いと考えられる

・赤字、債務超過の場合、事前に金融機関と資金調達で相談しておく

・黒字化、生産性向上を達成できる事業計画をつくる

 

ものづくり補助金の申請業務は、事業計画書を作成したり、必要な書類を用意したりとかなり手間がかかります。もし採択されなければ、申請業務にかけた手間や時間が水の泡になってしまいます。

ものづくり補助金にチャレンジする際は、自社の財務状況を考慮した上で申請することをおすすめします。

 

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