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【2021年版】IT導入補助金の概要と申請方法・注意点

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2021.08.11
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astep
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  • 2021
  • 11
  • Aug
IT化による生産性向上

IT導入補助金は、中小企業・個人事業主を含む小規模事業者のITツール導入費用について、最大450万円が補助される補助金制度です。

補助金は適正に遂行すれば返還する必要のない資金として非常に役立ちます。

IT導入補助金は企業の業務効率化・経営力向上を目的に経済産業省が実施しており、2021年は新型コロナウイルス対策を目的にした特別枠も創設されました。

本記事ではIT導入補助金の対象費用や申請の流れについて、注意点を交えながら解説していきます。

 

Contents

IT導入補助金とはどういった制度か?

IT導入補助金とは、経済産業省が実施する中小企業・個人事業主を含む小規模事業者のIT化・システム導入を支援するための補助金制度です。

IT導入補助金では生産性向上を目的としたITツールの導入に対して、費用の一定割合について、上限450万円までの補助金が交付されますので、業務システムなどの導入、入れ替えを検討されている中小企業、小規模事業者には是非とも活用して頂きたい制度と言えるでしょう。

 

なお、IT導入補助金は、中小企業・個人事業主を含む小規模事業者を対象とする制度のため、資本金の額や従業員の数について制限があります。

制限については業種ごとに異なり、下記表の通りとなります。

表に基づき、資本金・従業員いずれかの要件を満たせば申請可能です。

 

【2021年版IT導入補助金の対象事業要件】

業種分類

条件

※いずれかを満たす場合可

資本金

従業員

製造業、建設業、運輸業、ソフトウェア業、情報処理サービス業

 3億円以下

 300人以下

卸売業

 1億円以下

 100人以下

サービス業

 5千万円以下

 100人以下

※ソフトウェア業または情報処理サービス業、旅館業を除く

小売業

 5千万円以下

 50人以下

ゴム製品製造業

 3億円以下

 900人以下

※自動車、航空機用タイヤおよびチューブ製造、工場用ベルト製造業を除く

旅館業

 5千万円以下

 200人以下

その他の業種

 3億円以下

 300人以下

医療法人、社会福祉法人、学校法人

 300人以下

商工会・都道府県商工会連合会及び商工会議所

 100人以下

 

IT導入補助金で購入できるもの

IT導入補助金では、全てのITツールを対象として購入できるわけではありません。

IT導入補助金で購入・導入できるITツールには一定の要件が設けられており、要件を満たすITツールのみが対象になります。

 

IT導入支援事業者からの購入が対象

IT導入補助金の対象となる要件の最も重要なものが事前登録です。

ITツールの販売会社(ITベンダー、サービス事業者)および対象となるITツールは、事前に本制度の対象事業者(IT導入支援事業者という)として登録していることが条件となります。

 

なお、IT導入支援事業者の登録は、通常年1回、IT導入補助金の実施前に行われています。

IT導入補助金を活用して導入することができる対象ITツールの一覧は、IT導入補助金の公式サイトより検索することが可能です。

⇒ 「IT導入補助金2021」の公式サイト(外部リンク)

なお、事前に登録されたIT導入支援事業者が提供するITツールのみが補助金の対象ですので、自社のために独自に開発するシステムは、IT導入補助金の対象にならないことにも注意が必要です。

あくまで、対象になるのは、汎用性が高いシステムなどに限定されます。

 

IT導入補助金では、ソフトウェアの購入費用の他、導入時に係るサービス料についても補助対象とすることができるのが特徴です。

クラウドサービスの場合、1年分の利用料が補助対象経費となります。

 

IT導入補助金の補助金上限額や補助率は、導入するツールの特徴によりA類型~D類型のいずれかに分類されており、この類型によって異なります。

ここでは、それぞれの類型ごとの補助される上限額や補助率について解説します。

 

IT導入補助金:A類型

A類型は小規模向けソフトウェアを対象とした区分です。

補助対象となる上限額は30~150万円未満、補助率は1/2以内です。

 

IT導入補助金:B類型

B類型は、大規模向けのソフトウェアを対象としており、補助される上限額は150~450万円以下、補助率は1/2以内となります。

IT導入補助金の申請区分のなかで、補助額が大きいこともあり、申請時には満たすべき条件なども多くなるのが特徴です。

 

IT導入補助金:C類型

C類型は、新型コロナウイルス対策用に新設された特別枠です。

非対面ビジネス関連ツールとして認められるITツール購入時のみ使用できます。

 

C類型はさらにC-1類型とC-2類型に分類され、C-1類型の上限額は30~300万円以下、C-2類型の上限額は300~450万円以下となります。

補助率はいずれも、2/3以内とA・B類型よりも高い補助率となっています。

新型コロナウイルス対策となるC類型は、補助率・補助額(上限)で優遇されますので、条件を満たす方はこちらで申請した方が有利と言えるでしょう。

 

IT導入補助金:D類型

D類型は、新型コロナウイルス対策用に新設された特別枠です。

D類型は、テレワーク関連ツールを対象としています。

補助金の上限額は30~150万円以下、補助率は2/3以内となります。

業績が上昇する

 

IT導入補助金の申請手続きの流れ

ここでは、IT導入補助金の流れについて解説します。

通常枠であるA・B類型の流れを例に解説しますが、C・D類型の場合、事業実施後にも交付申請が可能です。

 

gBizIDプライム、SECURITY ACTIONを取得する

IT導入補助金の申請には、「gBizIDプライム」と「SECURITY ACTION」の取得が必要です。

「gBizIDプライム」とは、経済産業省が発行する複数の行政サービスを利用するためのIDです。

申請はgBizIDのホームページより行い、審査・登録には最低でも1~2週間程度の期間がかかり、混雑時期などは3週間以上かかることもあります。

 

gBizIDの申請をうっかり忘れて、登録が間に合わなかったとなるとIT導入補助金への申請もできなくなりますのでご注意ください。

後から、申請が間に合わなかったなどと申出しても、申請を認めてもらえる可能性は極めて低いと考えられます。

 

「SECURITY ACTION」とは、IPAが実施している国内企業の情報セキュリテ向上のための制度です。ランクに応じて1つ星と2つ星があります。

2つ星の取得は必須ではありませんが、審査を有利に進めるため、可能であればば2つ星を取得しましょう。

申請はSECURITY ACTIONのホームページより行い、こちらも審査には1~2週間程度の期間が必要です。

 

交付申請をする

IT導入補助金のポータルサイトにて、交付申請を行います。

申請時には①で取得した、gBizIDプライム、SECURITY ACTIONの他、履歴事項全部証明書や納税証明書の準備が必要です。

また、申請時には会社情報や導入するITツールの情報の他に、「直近2期分の決算情報」、「労働生産性向上計画」、「給与の実績と計画」などを提出する必要があります。

 

また、IT導入補助金の申請時には、設備・システムを販売する事業者(IT導入支援事業者)と協力して申請を行うことになります。

申請者が自社の必要事項を入力した後、メーカー側でも内容を確認して、必要事項を追加登録していきます。

申請後の審査は交付締切後から約1ヶ月の期間がかかり、補助金交付の可否が決定します。

 

ITツールの導入・支払・事業実施報告をする

IT導入補助金交付の可否が決定したら、実際にITツールを導入し支払手続きを完了します。

その後に、事業実施報告を行います。

事業実施報告に際しては、振込明細などの支払いを行ったエビデンスが必要となるため、必ず保管するようにしましょう。

 

IT導入補助金の交付請求

交付請求とは、実際に補助金を受け取るための手続きです。

提出書類をもとに、主に事務手続き上の観点から問題がないかが確認されます。

 

具体的には、システム上から行われた事業実施報告や添付書類に基づき、支払のエビデンスなどの書類審査が行われます。

審査終了後に、補助金交付決定の通知が届き、問題がなければ、続いて補助金交付を請求することにより、指定口座に補助金が入金され完了となります。

IT導入補助金の場合、審査から請求・入金には概ね3か月ほどの期間がかかります。

 

事業実施効果報告をする

IT導入補助金交付後、3年間にわたり事業実施効果報告をする必要があります。

効果報告を行う期間は定められており、2021年にIT導入補助金を利用した場合は以下となります。

・1年目 2022年4月1日~2023年3月末分
・2年目 2023年4月1日~2024年3月末分
・3年目 2023年4月1日~2025年3月末分

 

事業実施効果報告では、申請時に提出した労働生産性や給与支給額の計画に対する実績がチェックされます。

申請時の計画が著しく達成できていない場合、補助金の返金を求められるケースも想定されますので、申請時の計画については実現可能性の高い計画を提出するようにしましょう。

 

IT導入補助金申請時の注意点

ここでは、IT導入補助金申請時の注意点について3つ紹介します。

 

提出書類に不備がないか確認する

交付申請時には、履歴事項全部証明書や納税証明書をPDF形式で提出する必要があります。

履歴事項全部証明書は、交付申請日より3か月以内に取得したものに限られます。

 

また、提出書類の添付漏れがあった場合、それだけで不採択となってしまいます。

提出前には、書類に不備がないかどうか必ず確認するようにしましょう。

 

IT導入補助金の交付申請は期間に余裕をもって行う

gBizIDプライムやSECURITY ACTIONの審査は、申込が集中している場合、想定していた期間よりも審査に時間がかかることがあります。

これらの申請に限らず、提出書類や労働生産性向上計画、給与の実績と計画などの準備は、必ず期間に余裕をもって準備するようにしましょう。

 

他のIT導入支援企業のツールで申請済の場合は申請できない

他のIT導入支援企業のツールで申請済の場合、別のIT導入支援企業のツールで新たに申請することはできません。

IT導入補助金は同一年度内に一度しか受け取ることができないことに注意が必要です。

同一のIT導入支援企業で複数のツールについて申請することは可能です。

 

IT導入支援事業者(ベンダーなど)と協力して行う

IT導入補助金への申請はIT導入支援事業者(ITベンダーやサービス提供会社など)と協力して行います。

具体的には、電子申請画面への入力や、その確認などもIT導入支援事業者からサポートを受けながら申請することになります。

 

但し、注意すべきは申請書への入力内容の確認は、IT導入支援事業者からの確認で十分というわけではないことです。

IT導入支援事業者は入力すべき項目に漏れがないかなど、事務的な確認は行ってくれますが、事業計画書の作成や、事業改善のための専門家ではないとう点に留意しておく必要があります。

IT導入補助金では、事業計画の内容や、ITツールを導入する目的・効果などが審査されますが、これらの審査項目自体に対する内容は、申請者が自身で検討する必要があるのです。

 

アステップ・コンサルティングの申請サポート

アステップ・コンサルティングでは、中小企業・小規模事業者のIT導入補助金の活用をサポートしています。

対象となるITツールの選定や、補助金への申請、事務手続き全般をトータルでサポートいたします。

IT導入補助金の申請は、記載項目がそれほど多くないにもかかわらず、採択率はそれほど高くなく、少ない項目で厳しい審査が行われているのが特徴です。

 

そのため、IT導入補助金の制度に沿ったITツールの活用や、事業計画の策定が非常に重要となります。

アステップ・コンサルティングではこれらの申請サポートを行っておりますので、安心しておまかせ頂くことが可能です。

⇒ アステップ・コンサルティングへのご相談はこちら

 

まとめ

本記事では、IT導入補助金の申請方法について解説しました。

IT導入補助金の補助対象となる事業者や経費について、しっかりと確認するようにしましょう。

 

また、IT補助金に交付申請は全てWeb上で行われます。

gBizIDプライムやSECURITY ACTIONを事前に取得する必要がありますので、交付申請時は期間に十分な余裕をもって行うようにしましょう。

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