設備投資を検討されている中小企業/小規模事業におすすめしたいのが「ものづくり補助金」です。
2022年も公募が行われています。
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ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(令和元年度補正予算・令和二年度補正予算)と言います。
ものづくり補助金の特徴は、最大1,000万円という大規模な補助金でありながら、採択率が40~50%前後で推移しており、比較的採択される可能性の高い補助金ということです。
中小企業にとって、負担の重い「設備投資」を補助してもらえる補助金は貴重です。
そして、ものづくり補助金に採択される確率を高めるためのポイントは「加点項目」にあるとも言われています。
もちろん、申請書や事業計画の内容は重要ですが、それに加えて、加点項目を積み上げることで採択される可能性は格段に高まります。
今回はものづくり補助金申請前におさえておきたい加点項目についてご紹介いたします。
Contents
ものづくり補助金の審査では、提出する申請書(事業計画を主として記載)の内容に応じて審査されます。
しかし、審査の結果は、申請書の内容+加点項目によるポイントで決まります。
つまり、申請書の内容だけで結果が決まるわけではなく、加点項目をどれだけ獲得しているかも重要になるのです。
ものづくり補助金の公募要領(令和元年度補正予算・令和二年度補正予算)でも、明確に「加点項目」が明記されており、こちらに該当する方には、ポイントが加算されるとされています。
そのため、ものづくり補助金の採択確率を高めるためには、少しでも多く加点項目を効率的に積み上げる必要があります。
実際にものづくり補助金で加点項目として扱われる項目を確認しましょう。
加点項目としては、以下の5点があげられています。それぞれの項目について解説していきます。
有効な期間の経営革新計画の承認(申請中を含む)を取得した企業は加点が得られます。
こちらの項目は2019年までは「経営革新計画」だけでなく、「経営力向上計画」、「地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画」のいずれか一つを取得すれば加点が認められるものでしたが、2020年から経営力向上計画・地域未来投資促進法の地域経済牽引事業計画が除外されて、経営革新計画だけに限定されましたので注意が必要です。
経営革新計画の認定を狙うなら、以下の関連記事をご参照下さい。
もちろん、アステップ・コンサルティングにて、経営革新計画の認定を取得するためのサポートも行っております。
経営革新計画の認定を受けると、補助金申請の加点だけでなく、融資を受ける場合などにも優遇措置が受けられますので、中小企業/小規模事業者にとって認定を受けておきたい制度と言えるでしょう。
但し、経営革新計画の認定を受けるには平均して2ヶ月~3ヶ月程度の時間がかかります。
また、申請中でも加点項目として認められますが、経営革新計画による加点を前提としてものづくり補助金を申請した後に、経営革新計画の認定が受けられないとなると、ものづくり補助金の申請自体が無効になります。
せっかく採択されたとしても、前提条件の加点が取り消され、採択決定も無効になってしまうのです。
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令和元年度・令和二年度のものづくり補助金の申請にあたっては、給料支給総額の年率平均1.5%以上の増加が最低条件となります。
さらに、最低基準を超えて給料支給総額を上昇させる場合には加点項目として認められます。
また、従業員の時給についても基準があり、最低要件が地域別最低賃金の+30円ですが、加点項目として認められるためには+60円以上とする必要があります。
計画として従業員に対する賃金の上昇を見込めるのであれば、是非、おさえておきたいポイントです。
この項目では、「総賃金の2%以上の賃上げ+地域別最低賃金+60円以上」が要件となります。
この項目で加点が認められるためには、ものづくり補助金の申請時に従業員に対する計画の表明と、表明書への従業員代表の記名・捺印が必要となります。
ものづくり補助金の申請時には「小規模事業者」もしくは「創業間もない事業者(創業から5年以内)」が優先採択されます。
この加点項目は要件にあてはまっていればどの事業者でも自動的に加点が得られます。
一方、あてはまらない事業者は取り組むこともできません。
小規模企業者の加点が認められる定義は、「常時使用する従業員数」で判定され、商業・サービス業で5名以下、製造業を含むその他業種で20名以下となります。
2019年まで小規模事業者の加点を受けるための補助上限額は500万円に制限されていました。
一方、2020年の申請からは小規模事業者の加点を受けても、補助上限額は最大1,000万円が可能となりましたので、小規模事業者にとっては利用しやすくなったと言って良いでしょう。
有効期間中にある事業継続力強化計画の認定を受けた事業者も加点が認められます(申請中含む)。 事業継続力強化計画というのは、地震や洪水などの災害が発生した時に、事業を早期復旧させたり、従業員やその家族などの安全を守るための行動を事前に準備しておくための制度です。
こういった事業継続力強化計画の認定を受けた企業も加点が得られます。
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2020年ものづくり補助金の2次締め切りから、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて、乗り越えるための設備投資を行う事業者に加点が認められることとなりました。
新型コロナウイルスの影響を受けている事業者は、影響の状況や、影響を乗り越える効果について事業計画書内に記載しておくことが必要となります。
なお、新型コロナウイルスの影響を受けている事業者については加点項目だけでなく、加えて補助率の上限アップなど優先項目が設けられています。
新型コロナウイルスの影響を受けている事業者や、影響を乗り越えるための設備投資を考えている方は是非詳細を確認しておくことをおすすめいたします。
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生産性向上特別措置法(案)に基づいた、固定資産ゼロの特例を措置した自治体において、当該特例措置の対象となる先端設備導入計画の認定を受けた企業が対象となります。
先端設備導入計画を策定して自治体に提出し、認定を受けられると、3年間、固定資産税の軽減措置も受けることができます。
ものづくり補助金の加点項目であることはもちろん、税金の軽減措置もお得ですので、是非、狙っておきたい項目です。
さらに、ものづくり補助金の申請として考えても、加点項目に加えて、「一般型」で申請すると場合には、補助率が2分の1から3分の2に増加します。
非常に有利となる項目ですので、是非、おさえておきたい項目です。
→ (2020年3月に修正)先端設備導入計画は2020年のものづくり補助金から加点として認められなくなりました。
固定資産税の優遇が受けられますので、認定を受けておくメリットはありますが、補助金を優先採択される効果はなくなりました。
先端設備導入計画の認定取得方法まとめ
→ (2020年3月に修正)2020年のものづくり補助金から加点として認められなくなりました。
こちらの加点項目はやや特殊であり、地域的な限定はありますが、対象となる方は忘れずにチェックを付けておく必要があります。
ものづくり補助金で「加点項目」として認められるのは、以上の5項目となります。
加点項目は、1つでも多くの項目をおさえておくことで、それだけ採択される可能性を高めることができます。
→ (2020年3月に修正)2020年のものづくり補助金から加点として認められなくなりました。
今回の平成30年度補正予算のものづくり補助金から新しく設けられた加点項目です。
公募開始日1年前(平成30年2月19日)から応募申請日までの間に購入型クラウドファンディング等によって一定規模以上の支援金額を集めた企業」に該当する場合は加点の対象となります。
クラウドファンディングの加点項目が認められるためには、以下の2点のいずれかに該当する必要があります。
□ 設定した目標金額以上の支援金額を期間内に達成
□ 100万円以上の支援金額を期間内に達成
クラウドファンディングを活用したことのある方は、是非、チェックしておきたい項目です。
ここまでものづくり補助金の加点項目について解説しました。
しかし、加点項目だけおさえれば採択されるというわけではありません。
さらに重要なのは申請書の内容が評価されることです。
ものづくり補助金では、重要な審査のポイントは事前に公表されています。
そのため、そのポイントをしっかりと理解して、ポイントをおさえた申請書を作成する必要があります。
特に重要な審査項目についてご紹介しておきましょう。
①補助対象事業として適格性
おもに「補助対象外事業」でないかどうかを確認されます。
補助対象外事業としては、「公序良俗に反する」、「社会通念上、補助金を交付することが不適切」と判断される事業などが該当とします。
また、それに加えて、「事業の主たる課題の解決そのものを外注又は委託する事業」、「試作品の製造・開発の全てを他社に委託し、企画だけを行う事業」なども対象外とされます。
②新製品・新技術・新サービスの革新的な開発となっているか
「革新的サービス」、「ものづくり技術」のそれぞれ申請する対象毎に、生産性向上のためのガイドラインで示された取り組みであるか、もしくは特定ものづくり技術分野の高度化に資する取り組みであるかを確認されます。
③課題の明確化
サービス・試作品などの開発における課題が明確になっているとともに、補助事業の目標に対する達成度の考え方を明確に規定しているか。
④課題の解決方法
課題の解決方法が明確で妥当なものになっているか。優位性が見込まれるか。
⑤社内体制の構築
補助事業実施のための体制および技術的能力が備わっているか。
⑥市場環境の把握
事業化に向けて、市場ニーズを把握したうえで、補助事業が対象とするユーザー、マーケット、及び市場規模が明確か。
補助事業が目標とする市場が実際に存在しているのか、市場ニーズを正しく捉えられているのか、ユーザーを認識できているのかなどが確認されます。
実際に市場調査などを行ったうえで、市場が存在することを明確に示す必要があります。
⑦金融機関からの資金調達が見込めるか
ものづくり補助金では、補助金の交付は、実際に費用を支払った後、後日になります。
つまり、事業者が自身のお金で一旦立替払いをしておく必要があります。
しかし、最大で1,000万円もの金額となる補助金に対して、自己資金だけで賄うのは容易ではありません。
そのため、金融機関からの借入見込みなども必要となります。
ものづくり補助金の審査では、金融機関からの調達見込みがあるなど、補助金の交付までの期間、資金が不足しないということの根拠が求められます。
⑧数値目標
ものづくり補助金の審査では、3~5年計画で、「付加価値額」年率3%、「経常利益」年率1%の向上を達成できる計画であることが必要です。
令和元年度・令和二年度補正予算(2021年に申請分)の公募が開始されています。
7次公募の申請期限は2021年8月17日です。
申請期日まで1ヶ月ちょっとを残すところですので、まだまだ加点項目を増やしたり、申請書の内容をブラッシュアップする時間は十分にあります。
そのため、中小企業・小規模企業者で設備投資を検討されている方は今がチャンスと言って良いでしょう。
ものづくり補助金で採択されて、補助金を獲得するためには加点項目を増やすことが大切です。
加えて、申請書・事業計画書の内容を磨き上げることも大切です。
アステップ・コンサルティングの「ものづくり補助金申請サポートサービス」では、補助金の申請条件を満たすことができるかの確認や、申請のための事業計画書・申請書の作成、加点項目の対応などを一貫してサポートします。
また、フルサポートプランでは、申請書の作成代行も承っています。
まずはお気軽にアステップにご相談下さい。
ものづくり補助金で採択されるためのポイントは、時間の余裕を持って、申請準備を行うことです。
申請をお考えの方は、少しでも早く準備を始めましょう。
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ものづくり補助金とは、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(2021年現在)のことです。
以前は、「革新的ものづくり・商業・サービス開発支援補助金」という名称でしたが、途中で変化しています。
ものづくり補助金の対象となる事業者は、設備投資が必要となる中小企業、もしくは小規模事業者です。「ものづくり」という言葉が付いていますが、必ずしも製造業だけでなく、「革新的サービス(新たなサービス)」を提供しようとする事業者なら業種に関わらず補助金の対象となります。
ものづくり補助金の対象となる補助事業は、「ものづくり技術」と「革新的サービス」のどちらかです。
「ものづくり補助金」ですが、「革新的サービス」を提供する事業者も対象として含まれています。
以下、その他の簡単な補助要件です。
<ものづくり補助金簡易データ>
■補助対象者:日本国内に所在する中小企業者(個人事業主含む)
■補助上限額:1,000万円(小規模型は500万円まで)
■補助率:補助対象経費の1/2又は2/3
■補助対象経費:機械装置などの設備投資(ソフトウェアや工具器具含む)
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