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【2020年】小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の概要と申請方法

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2020.06.15
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アステップコンサルティング
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  • 2020
  • 15
  • Jun

今回対象とするのは「令和2年度補正予算 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)」です。略して持続化補助金(コロナ型)と言われることもあります。

 

2020年の持続化補助金は制度改正に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に対する支援策も盛り込まれ、制度内容や申請方法が複雑になっています。申請方法を誤ると「失格」、「不採択」とされることもありますので、誤ることの無いように注意する必要があります。

 

 

Contents

小規模事業者持続化補助金の概要

最初に令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応額)の概要をまとめておきましょう。2020年の小規模事業者持続金は同時に一般型とコロナ特別対応型が公募されています。どちらに申請するかで内容も大きく異なりますので注意が必要です。

 

今回は急遽設けられ、手続きや要件などを間違えてしまいそうな「コロナ特別対応型」を中心にご紹介いたします。

 

■小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の概要

概要

①    小規模事業者の販路開拓等の取組経費の一部を補助

②    新型コロナウイルスの影響を乗り越えるための投資に支援

補助額(上限額)

100万円

補助率

コロナ特別対応額A類型 3分の2以内

コロナ特別対応額B・C類型 4分の3以内

補助対象経費

①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、⑫委託費、⑬外注費

 

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)の補助額の最大は100万円であり、補助率も最大で4分の3が認められます。一般型の持続化補助金が補助額(最大)50万円、補助率3分の2ですので、かなり使いやすくなっていると言えるでしょう。

 

補助率は対象とする投資がA類型になるのか、それともB・C類型になるのかで異なります。この類型の詳細は後述します。

 

 

事業再開枠が利用できる

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)の特徴として、採択された事業者を対象として、補助額100万円とは別枠で事業再開枠50万円が利用できる点があげられます(但し、小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)の交付決定額を超えない範囲)。

 

事業再開枠は定額補助となっており、補助率とは関係なく、使用した額全額が対象となります。利用できる資金使途は事業を再開するにあたって必要となる「①消毒費用、②マスク費用、③清掃費用、④飛沫対策費用、⑤換気費用、⑥その他の衛生、管理費用、⑦PR費用」となります。

 

ただし、どの程度の費用が補助対象となるかは、これから発表される「業種別ガイドライン」で示されることなっていますので、全ての業種がこれらの費用を補助してもらえるかどうかは未定です。

 

なお、補助対象となるのは、2020年5月14日以降に購入、使用した費用となっていますので、これから申請される方にも遡及して適用が受けられます。既に、これらの費用が発生している方は、購入時の根拠資料(領収書など)や、使用した履歴をしっかり残しておくことが大切です。

 

 

コロナ特別対応型の条件

小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応額)に応募するには、以下の3つの類型のどれかに対応するための投資が必要です。これらに対して経費の6分の1以上を投資することが要件となります。

 

■コロナ特別対応型の要件

類型

内容

補足説明

A類型

サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

B類型

非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービス提供するためのビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと

C類型

テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

※補助対象期間内に、少なくとも1回以上、テレワークを実施する必要があります。

 

上記のうち、B類型、C類型に対する投資が経費総額の6分の1となれば補助率は4分の3が認められます。A類型で経費の6分の1となれば、補助率は3分の2以内となります。

 

各類型の説明だけでは解り辛い点もありますので、対象となる投資を具体的な例で確認してみましょう。

 

A類型の投資事例(サプライチェーンの毀損への対応)

・外部からの部品調達が困難であるため、内製化するための設備投資

・製品の安定供給を継続するため、老朽化した設備更新を行うための投資

・コロナの影響により、増産体制を強化するための設備投資

・他社が営業停止になったことに伴い、新たな製品の生産要請に応えるための投資

以上のように、仕入先や販売先が影響を受け、安定的な事業継続に影響を受けている事業者の投資が対象になります。

 

B類型の投資事例(非対面型ビジネスモデルへの転換)

・店舗販売をしている事業者が、新たにEC販売に取り組むための投資

・店舗型の事業者が、新たにVR等を活用してサービスを提供するための投資

・有人で窓口対応している事業者が、無人で対応するための設備投資

・有人でレジ対応をしている事業者が、無人で対応するための設備投資

※単に認知度向上のためのHP開設は、対象になりません。

 

B類型は新しい生活様式に対応するための投資と考えられます。これまで顧客との直接的に面してサービスを提供している事業者が、オンラインシステムなどを活用して、直接接することなくサービスを提供できるようにビジネスを返還する場合の投資が該当します。

 

C類型の投資事例(テレワーク環境の整備)

・WEB会議システムの導入

・クラウドサービスの導入

C類型は事業者と従業員とのもので、テレワークシステムを導入する場合の投資が該当します。

 

コロナ僕別対応型の小規模事業者持続化補助金

 

 

その他の要件

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)に申請するためには、前述のA~C類型に対する投資に加えて、以下の3つの要件を満たしておく必要があります。持続化補助金(コロナ型)へ申請する方の基礎となる部分ですので、良く確認しておきましょう。

 

①従業員数と業種による要件

小規模事業者であること 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)では従業員数をもとに小規模事業者であるかどうかを判断します。さらに、その従業員数も業種によって異なります。

 

■小規模事業者の定義

商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く)

常時使用する従業員の数 5人以下

サービス業のうち宿泊業・娯楽業

常時使用する従業員の数 20人以下

製造業その他

常時使用する従業員の数 20人以下

 

小規模事業者持続化補助金で言う従業員数というのは、「常時使用する従業員数」とされていて、以下の方は「常時使用する従業員数」に含めないとされています。

 

■従業員数に含めない例

(a).

会社役員(ただし、従業員との兼務役員は「常時使用する従業員」に含まれます。)

(b).

個人事業主本人および同居の親族従業員

(c).

(申請時点で)育児休業中・介護休業中・傷病休業中または休職中の社員

*法令や社内就業規則等に基づいて休業・休職措置が適用されている者

(d).

以下のいずれかの条件に該当する、パートタイム労働者等

(d-1).日々雇い入れられる者、2か月以内の期間を定めて雇用される者、または季節的業務に4か月以内の期間を定めて雇用される者(ただし、所定の期間を超えて引き続き雇用されている者は「常時使用する従業員」に含まれます。)

(d-2).所定労働時間が同一の事業所に雇用される「通常の従業員」の所定労働時間に比べて短い者(4分の3未満)

 

良くある間違いとして、個人事業主本人や同居の親族、会社役員は従業員に含まれないことに注意が必要です。そのため、事業主や社長が単独で行っている会社の従業員数は「0人」ということになります。また、役員のみで事業を行っている会社も従業員数は「0人」です。

 

一方、パート・アルバイトであっても、通常の従業員と同様に働いている方は従業員に含めることになります。

 

さらに、この小規模事業者として認められるには個人事業主、法人の形態などにも規定があります。簡単に対象となるもの、ならないものを整理すると以下になります。

 

■小規模事業者持続化補助金の対象区分

補助対象となりうる者

補助対象にならない者

・会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、合名会社、合資会社、合同会社、特例有限会社、企業組合・協業組合)

 

・個人事業主(商工業者であること)

・一定の要件を満たした特定非営利活動法人

・医師、歯科医師、助産師

・系統出荷による収入のみである個人農業者(個人の林業・水産業者についても同様)

・協同組合等の組合(企業組合・協業組合を除く)

・一般社団法人、公益社団法人

・一般財団法人、公益財団法人

・医療法人

・宗教法人

・学校法人

・農事組合法人

・社会福祉法人

・申請時点で開業していない創業予定者(例えば、既に税務署に開業届を提出していても、開業届上の開業日が申請日よりも後の場合は対象外)

・任意団体 等

 

② 商工会・商工会議所の管轄地域内の事業者

商工会・商工会議所の管轄内で事業を営んでいる事業者であることが要件となります。ただし、商工会や商工会議所に所属していることは必要条件ではありません。無所属の事業者でも申請可能です。

 

③経営計画に関する要件

新型コロナウィルス感染症の影響を乗り越え、持続的な経営に向けた経営計画を策定していることが申請の要件となります。

小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に申請するうえでのポイントにもなる重要な項目です。但し、「新型コロナウイルス感染症の影響」について明確な基準があるわけではありません(例:売上が前年同月比で●●%減少など)。新型コロナウイルスの影響は申請書内で説明すれば足ります。

 

④採択・交付決定に関する要件

10か月以内に「令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に採択・交付決定を受けて補助事業を実施した(している)者は対象になりません。小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>は1事業者、1年度以内に1度しか利用できないと決められています。

 

⑤反社会的勢力でないこと

反社会的勢力に該当しない者であり、かつ、今後、補助事業の実施期間内・補助事業完了後も、該当しないことを誓約すること。

 

 

募集スケジュール

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化(コロナ特別対応型)の公募は以下のスケジュールで行われます。

 

■募集スケジュール

募集回

申請期限

第1回

2020年5月15日(既に終了)

第2回

2020年6月5日

第3回

2020年8月7日

第4回

2020年10月2日

 

持続化補助金の申請は上記の期限内に手続き終了、書類の提出を完了させる必要があります(必着)。コロナ特別対応型の小規模事業者持続化補助金は第4回までの公募となっていますので、遅れることの無いように注意しましょう。

 

小規模事業者持続金の公募スケジュール

 

対象となる経費

小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応額)で対象となる経費には「策定した経営計画に基づき、商工会議所の支援を受けながら実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組であること」という条件があります。つまり、販路開拓などを目的として生産性を向上させるための費用が小規模事業者持続金の対象です。

 

加えて、費用は「①機械装置等費、②広報費、③展示会等出展費、④旅費、⑤開発費、⑥資料購入費、⑦雑役務費、⑧借料、⑨専門家謝金、⑩専門家旅費、⑪設備処分費(補助対象経費総額の1/2が上限)、⑫委託費、⑬外注費」のいずれかである必要があります。

 

具体例をあげれば以下のようなものが挙げられます。

・新商品を陳列するための棚の購入 ・・・ 【①機械装置等費】

・新たな販促用チラシの作成、送付 ・・・ 【②広報費】

・新たな販促用PR(マスコミ媒体での広告、ウェブサイトでの広告) ・・・ 【②広報費】

・新たな販促品の調達、配布 ・・・ 【②広報費】

・ネット販売システムの構築 ・・・ 【②広報費】

・国内外の展示会、見本市への出展、商談会への参加 ・・・ 【③展示会出展費】

・新商品の開発 ・・・ 【⑤開発費】

・新商品の開発にあたって必要な図書の購入 ・・・ 【⑥資料購入費】

・新たな販促用チラシのポスティング ・・・ 【⑦雑役務費】等

・国内外での商品PRイベント会場借上 ・・・ 【⑧借料】

・ブランディングの専門家から新商品開発に向けた指導、助言 ・・・ 【⑨専門家謝金】

・新商品開発に伴う成分分析の依頼 ・・・ 【⑫委託費】

・店舗改装(小売店の陳列レイアウト改良、飲食店の店舗改修を含む。) ・・・ 【⑬外注費】

※「不動産の購入・取得」に該当するものは不可。

 

申請・手続きの方法

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>に申請するにあたっては、最初に事業者側で経営計画を作成し、①商工会もしくは商工会議所が確認+「確認書」を発行、②日本商工会議所へ申請書類一式を送付、③日本商工会議所で受理・審査という流れになります。

 

小規模事業者持続化補助金の申請から補助金受け取りまでの流れ

 

申請者(事業者)としては、商工会(もしくは商工会議所)と、各県商工会連合会(もしくは日本商工会議所)に送付して2か所での手続きが必要となることに加え、申請期限までに商工会や商工会議所の確認を済ませる必要がありますので、余裕を持って準備する必要があります。

 

なお、申請書(経営計画書)の記載方法、作成のポイントは別途ご紹介いたします。

 

アステップ・コンサルティングにご相談ください

小規模事業者持続化補助金は要件にあえば比較的利用しやすい補助金であると言えます。しかし、良くわからないままに準備していると準備にミスがあったり、認められる申請書の作成が難しく、非効率になってしまうこともあります。アステップ・コンサルティングでは効率的に申請するためのサポートを行っています。どのような申請書を作成されるのが良いか、そのために何をすれば良いのかなどをサポートいたします。

 

 

採択率の情報

小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>の1次公募が5月15日期限で行われ、5月29日に採択結果が公表されています。1次公募は特に新型コロナウイルスの感染拡大の影響が大きい事業者の申請が多かったと思われることから、審査結果もわずか2週間というかなり早いペースで公表されています。

 

その結果、申請者数6,744件に対し、採択された事業者数が5,503件となっており、実に81.6%の採択率であったことが解ります。5月22日に先行して公表された小規模事業者持続化補助金(一般型)の採択率が90.9%(申請者数8,044件、採択者数7,308件)であったことに比べると低くなりますが、それでも補助額が最大100万円であることを考えれば、かなり高い採択率であると言えるでしょう。

 

 

まとめ

令和2年度補正予算 小規模事業者持続化補助金<コロナ特別対応型>は、通常の一般型に比べて、補助額が100万円まで拡大し、さらに事業再開枠として50万円の補助が受けられます。さらに、一時公募の採択率は80%超ともなっており、かなり高い確率で採択されていることが解ります。

 

小規模事業者の対象範囲にあり、対象経費にあたる資金需要がある方は是非とも利用していただきたい補助金ですので、有効活用されることをおすすめいたします。

 

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