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中小企業向けの補助金に税金はかかる?補助金申請時に考えておきたい税金のポイント

補助金を受け取ると課税されることがあるのをご存知でしょうか?

中小企業が受けられる補助金にはさまざまな種類があります。代表的な補助金として「ものづくり補助金」や「小規模事業者持続化補助金」などは人気がありますので、申請を検討されている方も多いのではないでしょうか。しかし、補助金で設備投資などを行う場合、税金についても考えておく必要があります。

また、補助金の受取時点によっても会計処理の処理方法はさまざまです。そこで今回は、補助金にかかる税金の種類と仕訳方法を確認しておきましょう。

※今回は補助金に対する税金の事例としてご紹介します。各事業者ごとに計上方法などは異なりますので詳細は顧問税理士にご確認ください。

 

 

補助金に税金は発生するのか?

そもそも中小企業の設備投資や資金繰りの支援目的に給付される補助金に対して、税金がかかるのか疑問に思ったかたもおおいのではないでしょうか?たしかに、設備投資のために受け取る補助金に税金がかかっては、予定していた資金繰りに不足する可能性も出てくるでしょう。

しかし、結論から申し上げると国や地方自治体から支給される補助金には税金(法人税等)がかかります。

まず最初に、補助金を受け取る際に注目すべき2つの税金について解説いたします。

 

法人税がかかる

補助金は会社の売上と同じように収益として計上しなければなりません。つまり、法人税法上の考え方でいえば補助金も課税対象(税金発生)となります。したがって、補助金も含めた収益から費用を差し引いて残った差額には税金が発生するのです。

補助金にも法人税がかかるということを認識しておかないと後になって資金繰りの予定が変わってしまうこともありますので注意が必要です。

 

消費税は課税されない

消費税法上の考えた方でいうと、補助金は下記の要件に該当するので消費税がかかりません。

“消費税の課税の対象は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡等と輸入取引です。これに当たらない取引には消費税はかかりません。これを一般的に不課税取引といいます。”

 

中小企業等経営強化法に基づく支援措置

政府では中小企業等経営強化法など、中小企業を支援するための法律を用意しています。支援措置を活用すると「税額控除」や「即時償却」による法人税額の軽減に加え、「固定資産税の3年間免除(最大)」といった税制支援を受けられる可能性があります。後述する圧縮記帳で税負担を軽減する方法もありますが、こちらを活用すると追加的な税制支援が利用できますのでメリットは大きくなると考えられます。

なお、これらの税制支援を受けるためには、「経営力向上計画」や「先端設備導入計画」の認定を受ける必要があります。認定を受けると税制支援だけでなく、金融支援(信用保証協会の追加枠や低利融資など)を利用できる可能性もあります。

経営力向上計画や先端設備導入計画の認定を受けるためには、設備取得時期と申請時期とのタイミングが重要になることに加え、各種認定制度に沿った事業計画を作成していることも大切です。要件を充足しないと認定が認められず、税負担を負ってしまうことには注意が必要です。

 

 先端設備導入計画の制度詳細と申請方法

 経営力向上計画の制度詳細と申請方法

 

補助金にも法人税はかかる

 

補助金受取時の仕訳

収益を計上するタイミングは、職種や業態によりさまざまです。原則、建設業でいえば工事が終了した日、不動産業でいえば売買契約をした日、飲食業でいえばお客さんからお金を受け取った日など、それぞれに収益を計上するタイミングがあるように補助金にも収益を計上するタイミングがあるのです。

 

補助金の仕訳を入力するポイントは大きく2つに分かれます。1つ目は「給付決定通知」を受けた時点。2つ目は実際に補助金が入金された時点です。それぞれの仕訳を解説いたします。

 

給付決定通知を受けた時点

補助金は、会計上「支給決定通知書が到着した時点」で収益として計上するのが原則です。例えば、100万円の補助金を申請し、給付決定通知が届いた場合は以下の仕訳を入力します。

借方

金額

貸方

金額

未収入金

1,000,000

雑収入

1,000,000

※実際の計上方法などは各社が採用する会計基準によっても異なります。詳細は顧問税理士にご確認ください。

※消費税は不課税

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補助金が入金された時点

補助金の受取時の仕訳には、注意しなければいけないケースがあります。それは、補助金の申請が認められ、給付が決定されてから入金までの期間が空いてしまうケースです。補助金のなかには、入金までの期間が1年以上空いてしまい、決算月を迎えることもあるのです。決算をまたぐ場合の仕分けは以下のとおりです。

 

「給付決定通知書が届いた日」

借方

金額

貸方

金額

未収入金

1,000,000

雑収入

1,000,000

※未収入金とは資産または役務を提供した結果発生した未回収代金をいう。

 

借方

金額

貸方

金額

現預金

1,000,000

未収入金

1,000,000

 

経理担当者が会社の帳簿の入力を行う際は、「企業会計原則」に準じた帳簿入力が求められますので、補助金がいつ入金されるかによって処理方法の使い分けが必要です。※実際の計上方法などは各社が採用する会計基準によっても異なります。詳細は顧問税理士にご確認ください。

 

圧縮記帳による仕訳入力方法

圧縮記帳とは、有形固定資産(建物や土地)を取得するために発生した補助金がある場合に補助金と購入費用を相殺することにより税金の支払う時点を繰り延べる会計処理です。

例えば、12月決算の会社でR1年11月30日に50万円の補助金を利用して、100万円の建物の固定資産に該当するものを購入したケースでは以下の仕訳を入力します。

R1年11月30日

借方

金額

貸方

金額

建物

1,000,000

現金

1,000,000

現金

500,000

国庫補助金(雑収入)

500,000

そのまま決算を迎えた場合の仕訳は以下のとおりです。

R1年12月31日

借方

金額

貸方

金額

土地圧縮損

500,000

建物

500,000

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仮に、翌期に補助金を使用して購入した土地を70万円で売却した場合の仕訳は以下のとおりです。

R2年6月30日

借方

金額

貸方

金額

現金

700,000

建物

500,000

 

 

建物売却益

200,000

法人税

60,000

未払法人税等

60,000

※法人税率30%とした場合=200,000×30%

 

本来であれば、R1年の補助金受取時に法人税率が発生する処理にしなければならないのですが、圧縮記帳で処理することにより、R2年の売却時まで法人税等の支払いを繰り延べられます。つまり、1年目に支払う税金を2年目に支払うことができる方法ということです。

 

今回ご紹介した圧縮記帳は「直接減額方式」による方法ですが、「積立金方式」による記帳方法もありますので、あなたの会社に有利な方法で記帳してください。

 

補助金の仕分けの基礎

 

中小企業におすすめの3つの補助金!

補助金とは、国や地方自治体が推奨する起業促進や中小企業振興など、国が目指す目的を達成するために給付されるお金です。助成金とは少し意味合いが異なるので混同しないように気を付けましょう。では、国が推奨する補助金にはどのようなものがあるのでしょうか。今回は中小企業が受けられる3つの補助金についてご紹介いたします。

 

ものづくり補助金

簡単にいうと、ものづくり補助金とは世の中の生産性を向上させる革新的なサービスや開発・試作品に必要な資金の一部を国が支援することが目的とされています。

 

ものづくり補助金の目的

“ものづくりを支える中小企業が、我が国製造業の国際競争力強化や新たな事業の創出にとって必要不可欠な存在であることに鑑み、中小企業の担うものづくり基盤技術の研究開発及びその成果の利用への支援を通じて、その高度化を図り、もって国民経済の健全な発展へ寄与することを目的として制定”

 

 ものづくり補助金の概要

補助金 100万円~1,000万円
補助率 2分の1~3分の2(コロナ特別枠は最大4分の3)
資金使途 革新的な取組みを伴う設備投資
対象 中小事業者

 

 ものづくり補助金とは?制度の概要から申請方法まで解説

 ものづくり補助金申請サポートサービス

 

IT導入補助金

IT導入補助金は中小事業者がIT設備を導入する資金を補助してくれる制度です。事業者の生産性向上に役立つIT設備を補助金を活用して導入できるものとしてこちらも人気です。

 

IT導入補助金の目的

“IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者等のみなさまが自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、みなさまの業務効率化・売上アップをサポートする目的” 

 

IT導入補助金の制度概要

IT導入補助金の基本的な制度概要は以下の通りとなります。

 

 IT導入補助金の概要(A類型・B類型)

補助金 30万円~150万円(A類型)、150万円~450万円(B類型)
補助率 2分の1
資金使途 ソフトウエア費、導入関連費等
対象 中小企業・小規模事業者

 IT導入補助金の概要(C類型)/新型コロナウイルス対策枠

補助金 30万円~450万円
補助率 2/3以内(C類型-1)、3/4以内(C類型-2)
資金使途

ソフトウエア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費

対象 中小企業・小規模事業者

 

 IT導入補助金とは?制度の概要から申請方法まで解説

 

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は比較的小規模の事業者や創業間もない方でも利用しやすい補助金です。補助金のなかでは珍しく、広告宣伝費・販売促進費として利用できるものとしてこちらも人気の高い補助金です。

 

小規模事業者持続化補助金の目的

“持続的な経営に向けた経営計画に基づく、小規模事業者の地道な販路開拓等の取り組みや、あわせて行う業務効率化(生産性向上)の取り組みを支援するため”

 

小規模事業者持続化補助金の概要

 小規模事業者持続化補助金の概要

補助金 50万円(一般型)、100万円(新型コロナウイルス対応型)
補助率 2/3以内(一般型)、4分の3(新型コロナウイルス対応型)
資金使途

広告費、販売促進費など

対象 小規模事業者

 

 小規模事業者持続化補助金とは?制度の概要から申請方法まで解説

 アステップの小規模事業者持続化補助金申請サポートサービス

 

まとめ

今回は中小企業向けの「補助金」に焦点をあててみました。国から給付されたお金だから税金がかからないと勘違いされていたかたもおおかったのではないでしょうか。補助金の会計処理は普段の会計処理と少し異なる点がおおいので、今回の記事をぜひ参考にしてほしいです。

 

また、圧縮記帳の処理方法おいても、あなたの会社に適した処理方法の選択が必要です。今回の記事を見ても不安が残るかたは、税理士や会計士、税務署にご相談のうえ会計処理を進めてみてはいかがでしょうか。

 

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