補助金・助成金サポート

ものづくり補助金申請に要する費用の相場は?妥当な専門家費用とは?

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2020.10.18
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アステップコンサルティング
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  • 2020
  • 18
  • Oct

最大1,000万円と高額な補助金で人気のあるものづくり補助金。ゲットして経営改善に活用したいと思われている事業者も多いことでしょう。採択されることが年々厳しくなっていますが、言い換えれば、採択されるコストが上昇しているともいえます。

 

補助金を獲得するためのコストは大きく二つ。事業計画書作成や補助事業実施など「自社で発生する内部コスト」と少しでも採択率を上げるために「専門家に依頼する専門家費用」です。

 

内部コストは、事業計画を策定するために、経営者や従業員が対応するコストであり、追加的な作業に対応するための人件費などが該当します。これは通常の業務運営の延長線上にある費用とも言えます。

 

一方、補助金申請にあたって追加的に発生するのが専門家費用です。採択される可能性を高めるためには専門家へ依頼することが重要ですが、そのために必要なコストはどれくらいでしょうか。

 

本稿では、ものづくり補助金の公募開始から事業化報告までの一連の流れで発生する専門家費用について取りまとめます。なお、専門家費用は、ものづくり補助金だけでなく、様々な補助金でも類似しますので、その他の補助金申請を検討される方も参考にしていただければ幸いです。

 

 アステップ・コンサルティングでは2020年度の加点項目を含む申請サポートを実施中

 

 

 

Contents

補助金申請の専門家費用とは?

ものづくり補助金の申請において、専門家に払う費用について色々な角度で整理します。補助金申請では、サポートを依頼する専門家毎や、依頼内容に応じて、専門家費用は大きく異なります。

 

支援形態別コスト負担

ものづくり補助金支援で専門家を利用する場合を主な形態別に整理すると次の通りとなります。

 

<専門家別費用の状況>

相談窓口 支援する専門家 費用負担者
金融機関 金融機関 無し
提携専門家 金融機関
商工会議所など 商工会議所など 無し
提携専門家 商工会議所(支援制度予算)
顧問税理士など 顧問税理士など 事業者(顧問料)
機械商社など 提携専門家 機械商社など
専門家(経営コンサルタント) 経営コンサルタント 事業者

 

上記の通り、事業者が専門家に費用を払うケースは、顧問税理士や、専門家(経営コンサルタントなど)に頼んだ場合に限られています。そして、近年の補助金申請において、事業者からのサポート依頼が多く寄せられており、需要が高まっているのも、こちらの「専門家(経営コンサルタント)」の部類になります。

 

金融機関の場合は、提携の専門家を活用したとしても、サービスの一環として金融機関の負担としています。商工会議所など公的機関の場合は、エキスパート派遣制度など無償の支援制度の予算を活用しています。

 

金融機関や、商工会議所は無料で利用できる反面、支援内容が限定的というデメリットがあります。事業計画や、申請書類の作成などは、事業者が行い、その結果に対して意見が行われるといったことが多いでしょう。

 

そのため、事業計画や、申請書類の作成自体に不安を持たれている事業者には不十分なサポートとなります。また、ものづくり補助金で採択される可能性を高めるという最も大切な目的に対しても、あまり効果的な支援は期待できません。

 

 

支援サービス

次に、相談窓口事で、どのようなサービスを専門家に依頼するのでしょうか。

もちろん、専門家によってサービスの内容は変わってきますが、ものづくり補助金の一連の手続きで整理してみます。

 

①公募開始

  • 公募要領のポイント説明
  • 採択に向けた加点要素の確認、加点の準備
  • 公募要領説明会などへの同席、事務局への問い合わせなど

 

②事業計画作成

専門家によって、サービス内容が大きく異なってきます。

  • テンプレート提供(目次、図表等)
  • インタビュー(SWOT分析、補助事業の確認等)
  • 事業者作成の事業計画書添削
  • 事業計画代行作成(専門家に丸投げ)
  • 加点要素対応(経営力向上計画作成・申請など)
  • 添付資料確認、添付資料製本など

 

これ以降は、採択された場合の支援となります。ご承知の方も多いと思いますが、事業者によっては、採択後の手続きがより面倒との印象を受けられる方も多くなっています。

 

③補助事業実施

  • 採択申請書作成
  • 補助事業テンプレート提供(各種管理表など)
  • 訪問による補助事業モニタリング

 

④実績報告書作成

  • テンプレート提供(目次、図表等)
  • インタビュー(補助事業の実施状況、資料の確認など)
  • 事業者作成の事実績報告書添削
  • 実績報告書代行作成(門家に丸投げ)

 

⑤事業化報告書作成

  • 訪問による事業化モニタリング
  • 事業者作成の事業化報告書添削
  • 事業化報告書代行作成(専門家に丸投げ)

 

ものづくり補助金の一連の手続き

 

専門家申請業務の内容

補助金申請を請け負っている専門家の料金はかなり幅があります。私の経験的な観点から言えば、ものづくり補助金の申請を行っている専門家料金は以下の内容から構成されているケースが多くみられます。

 

  • 着手金
  • 事業計画作成費用
  • 成功報酬(採択)
  • モニタリング+実績報告書作成費用(補助事業実施期間)
  • モニタリング+事業化報告書作成費用(事業化期間)

 

もちろん、専門家によって、完全成功報酬などを謳うなど料金体系は異なっています。

 

そのため、一部の認定支援機関などが、ものづくり補助金への応募を代行するとして、支援内容とは乖離した成功報酬等の費用を中小企業・小規模事業者等に請求する事例が報告されています。

 

 

中小企業庁の注意喚起の影響とは?

一部の不適切な事例が散見されたため、平成25年11月中小企業庁及び金融庁の連名にて、各認定支援機関に対し、以下のような不適切行為を慎むよう注意を喚起する文書が発表・通知されています。

 

【不適切な行為の例】

  • 補助金申請に関与する際に、作業等にかかる費用等と乖離した成功報酬等の費用を中小企業・小規模事業者等に請求すること
  • 認定支援機関であることを示しながら、補助金申請代行等の PR や営業活動を行うこと
  • 支援業務の実施に際して、金額・条件等の不透明な契約を締結すること
  • 支援業務の実施に際して、中小企業・小規模事業者等や関係機関等に対し、強引な働きかけを行うこと

 

結論から言えば、不適切な行為のポイントとしては①認定支援機関であることを示した営業活動、②不透明、もしくは高すぎる金額の請求として整理されます。2019年まで、ものづくり補助金の申請には認定支援機関による確認が必須とされていました(2020年は廃止)。認定支援機関の一部が、補助金制度上の確認を行えることを良いことに、高すぎる報酬を要求するという事例が見られたのです。

 

その影響もあって、2020年度(令和元年度補正予算)から、認定支援機関の確認・助言は必須ではなくなり、任意に活用できる程度となっています。ものづくり補助金の申請を希望される方は、事業計画・申請書の作成に関する助言・サポートを依頼するにあたり、認定支援機関である必要があるのか、妥当な費用であるかを良く確認したうえで、納得できるものに依頼する必要があります。

 

 

【制度の見直し】

①補助上限額の増額要件

平成29年度補正予算では、生産性向上に資する専門家の活用がある場合は、補助上限額に30万円の増額が可能となっています。なお、この専門家には、確認書を発行した認定支援機関や事業計画書の作成を支援した者は含まれないこととなっています。

 

②事業計画書作成支援者名の明記

平成29年度補正予算の事業計画書では、事業計画書の作成を支援した人の氏名を連絡先と併せて記載するよう様式が変更されています。採択時の成功報酬を意識した書式の改定といわれています。

 

③支援計画の誓約

認定支援機関の確認書も様式変更になっています。支援計画をきちんと策定し、補助事業実施期間だけでなく、5年間にわたって事業化への支援を行うことを誓約しなければなりません。採択までの支援で高額な成功報酬を受け取ったりすることや採択後に新たに高額の報酬を要求することへの牽制と受け止めることもできます。

 

不適切な事例は、ごく一部の認定支援機関ですが、事業者としても過大なコスト負担や無用な時間の浪費をしないよう専門家の営業などに充分注意する必要があります。

 

ものづくり補助金申請する際の注意点

 

納得性のある専門家費用とは?

金額の目安も事業者にとっては大きな関心毎です。もちろん民間コンサルタントは、事業として営んでいますので、時間単金など料金体系は様々です

 

参考になるのは、補助金や公的支援制度で中小企業診断士など専門家に謝金として支払われる金額水準です。時間単金としては、5,000円~15,000円の水準かと思います。

参考として、平成29年度補正予算の一次公募で二桁の採択実績のある民間コンサルタントの料金体系で見てみましょう。

 

<料金体系の参考例(申請業務)>

項目 目安金額 備考
着手金 50,000~100,000円 不採択の場合、この費用の負担だけとなります
事業計画作成費用 50,000円 採択の場合の追加費用
成功報酬 採択額の10%~20%程度 事業実施期間及び事業化期間の支援費用

 

ものづくり補助金の専門家費用を具体例で計算してみましょう。

仮に、着手金10万円、成功報酬を10%として仮定すると、採択された補助金確定額が500万円の場合、5万円+5万円+50万(=500万円×10%)=60万円となります。

 

なお、着手金や事業計画作成費用を受け取らず、完全成功報酬制とする専門家も存在します。こういった成功報酬制の場合、事業者側には、不採択となった時に費用が発生しないメリットがある一方、採択時の報酬が15~20%と高めに設定されることが多く、着手金を払う場合よりも高額となるケースが多いようです

 

<料金体系の参考例(採択後の業務)>

項目 目安金額 備考
モニタリング+実績報告書作成費用 30,000~50,000円 採択後~交付申請に関する業務
モニタリング+事業化報告書作成費用 30,000~50,000円 交付申請後~事後期間の業務

 

経験則から言えば、上記の専門家への費用は、かなり適正な水準だと考えられます。

 

そもそも、補助金の交付申請が採択されなければ着手金のみの負担で済みます。着手金という費用は発生しますが、従業員や経営者が不慣れな業務を行って、多大な時間を費やすことを考えれば、かなり妥当な水準の費用と言えるでしょう。

 

また、成果報酬などの費用は採択されたことによる費用となりますので、その分補助金がもらえる権利が得られていることになりますので、決して費用として過大とはならないものと言えます。

 

ものづくり補助金において、採択されるためや、採択後の事業実施に専門家の支援は不可欠です。

専門家を賢く活用するために、下記の点に留意するようにしましょう。

①中小企業庁の注意喚起レターにある不適切な事例を確認すること

②採択後のフォロー(認定支援機関は誓約しています)は、確実に行ってもらうこと

③サービスレベルと料金を事前に契約書で合意すること

 

 

過大な費用に注意

一方、上記金額を超えて、かなり高額な費用を請求する専門家(認定支援機関)も存在することに注意した方が良いでしょう。

 

高額な専門家の場合、着手金として20万円以上の費用を請求したり、成功報酬として10%超(15%~20%など)を要求する方もいます。しかし、この金額水準の専門家費用は、かなり高額すぎると言え、事業者にとっての負担も重くなってしまいます。さらに言えば、事業者の本業に費やすべき補助金の趣旨からも外れてしまいます。

 

「認定支援機関」であることを広告の前面に掲載した状態で補助金の代行申請を宣伝されている専門家には注意した方が良いでしょう。

 

 

アステップにご相談ください

中小企業や、個人事業主の方で、補助金を獲得したいとお考えの方は、アステップ・コンサルティングにご相談ください。アステップ・コンサルティングでは、事業再生・経営改善・経営管理に携わった経験豊富なコンサルタントが担当し、事業計画の作成から、効果的な申請書の作成までをサポートいたします。

 

また、ご希望の経営者には、採択後の交付申請や、実績報告なども担当させていただきます。

 

 アステップ・コンサルティングへのご相談はこちらから

 

 

まとめ

ものづくり補助金の申請に要する専門家費用は、着手金(基本料金)で5万円~7万円、成功報酬として採択額の10%程度が目安となります。

 

また、この水準の専門家費用は、ものづくり補助金に限定せず、他の補助金申請業務に関しても、ほぼ同程度の費用になると考えておけば良いでしょう。

 

一方、この水準を超えた費用を要求するグレーな「認定支援機関」がいることも認識しておくべきです。補助金を実施している政府としても、不適切な認定支援機関がいることを認識しており、注意喚起を促しています。

 

 アステップへのご相談はこちらから

 

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