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赤字企業でも銀行から融資を受けることはできる!?

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日本の中小企業の7割は赤字企業だといわれています。一口に赤字といっても、企業や個人事業主毎に、その程度・規模などの内容は様々ですが、赤字企業だからといって絶対に銀行から融資を受けられないかというと、まったくそのようなことはありません。

 

同じ「赤字企業」といわれる企業の中で、どういった先であれば銀行は融資に応じてもらえ、反対にどういった先が融資を申し込んでも審査に落ちる可能性が高いのか?

 

そして、それらを踏まえて、赤字企業でも銀行から融資が受けられるのか、「具体的方法」についていくつか述べてみたいと思います。

 

 

 

赤字の種類・程度

一口に企業が赤字と言っても、以下のように赤字には様々なケース・程度があります。

 

<赤字企業の分類方法>

・固定資産の売却損など一過性(一回きり)で特殊要因に依る赤字か、あるいは深刻な赤字体質か

・赤字の金額が大幅(大赤字)か、それとも少額でさほどでもない赤字か

・直近決算期のみの赤字か、あるいは数期連続の赤字か

などの分類によって赤字企業は分類することができます。

 

 

以下に、主要なポイントを述べてみます。

 

 

一過性の赤字

代表的な一過性赤字の例には、上述した固定資産の売却損があります。たとえば、会社所有の遊休土地を売却した際、売却価格が1,000万円で、その遊休地の帳簿価格が400万円だとした場合、600万円の固定資産売却損(特別損失)が発生します。

 

こういった赤字は本業の好調不調とは関係無く、さらに一度切りの赤字であるため、次年度以上の会社の収益力とは関係ない赤字要因になります。

 

また、前述のような固定資産売却による赤字であれば、現金の支出を伴わない赤字でもあるため、資金繰りの懸念も低いものとなります。

 

一過性要因による赤字なら融資を受けられる可能性もある

 

 

深刻な赤字体質

あまり見かけない例ですが、営業利益段階で赤字といったケースがあります。営業利益の赤字というのは大きな問題があります。要するに、企業が「本業で赤字」ということであり、事業のやり方が根本的に問われる由々しき事態だといえます。

 

営業利益が赤字という場合、融資をする側からすれば、その後の回収に大きな不安がある状態と言えます。本業自体が赤字ですので、事業を続けていても、返済原資が生れないことになるためです。

 

次に、本業(営業利益)では黒字なのですが、そこから金融機関への支払利息などを控除した経常利益段階で赤字に至ったという場合があります。営業利益は黒字だけど利益の額は非常に低い、過大借入金あるいは借入金利が高い、といった原因が考えられます。

 

 

銀行員の赤字の考え方

赤字企業が銀行に融資を申込した場合、融資を受けられる場合と、審査に落ちて融資を受けられない場合があります。それでは、赤字でも融資可と、不可に分かれるその差はどこにあるのでしょうか。

 

 

返済能力があるのか?

銀行の審査のポイントを考えてみましょう。この時、きれい事は抜きにして、「本当に貸したおカネに利息が付いて戻ってくるのか?」という点が融資に関して、銀行員の一番の関心事である「融資先の返済能力」の心境を表しています。

 

では、銀行員はその融資先の返済能力をどのようにして計算しているのでしょうか。

 

その答は、以下の算式で求められます。

*返済能力(キャッシュフロー)=当期純利益+減価償却費

 

減価償却費はキャッシュの減少を伴わない(=自社の外部に流出しない費用)内部蓄積される費用で、これと税金納付後の純利益を合算したものが、他行借入分を含めた借入金の返済能力だと、銀行員は考えています。

 

たとえば、上記算式ででてきた返済能力が600万円であっとします。

ところが、銀行への年間での返済元金額は1,100万円だとした場合、返済能力は元金返済額に対して▲500万円の状況となり、「返済能力がない」という結論に至ります。

 

このような算式によって求めた返済余力(キャッシュフロー-年間返済元金額)がマイナスであった場合、銀行は単純には「この先には、もう貸せない」となるのですが、

 

はたして銀行員はそのように単純・機械的に切り捨ててしまっているかというと、そのようなことはありません。もし、そのようなことをしていますと、銀行の‘商売’が成り立っていかないだけでなく、いまのところ業況は苦しいが、将来的に再生する見込みのある企業まで見殺しにしてしまうということにもなりかねません。

 

そこで「自社は今赤字で苦しんでいますが、近い将来黒字企業に復活します」という計画を銀行に示すことによって、銀行も融資を承認することがあり、赤字企業といえども、融資実行は見えてきます。その他の、赤字に関することについての銀行員の見方は、以下のようになります。

 

返済能力があるかどうかが重要

 

 

銀行員は赤字資金を避けたい

赤字企業への融資で、銀行員が一番懸念するのが「赤字補てんのための資金(赤字資金とも呼びます)」として使われた融資です。利益、資金繰りともに赤字の場合、現預金は減少していくことになります。そのため、赤字の期間が長引くと、運転資金が不足することになり、その際に「赤字資金」が必要となります。

 

しかし、利益、資金繰りの赤字が解消しないと、企業は本業から返済資金を生むことができません。

 

そのため、赤字資金を必要とする企業に対する融資は、銀行にとっても回収上のリスクが高く、極力融資を行いたくないと考えています。

 

なかには、赤字資金としての申込みではなく、よくある「資金繰り上の経常運転資金」で申し込まれたもので、銀行はちょっと無理をして実行したが、案の定、時間経過の長短はあるものの返済不能で焦げ付いてしまうというケースがあります。

 

そのため、銀行は赤字資金に対する融資を敬遠します。赤字資金は非常にリスクの高い融資となりますので、こういったケースは資金調達も難しくなります。

 

 

一過性の赤字なら可能性あり!

営業利益・経常利益は黒字ですが、「固定資産売却損」のような要因で最終利益が赤字となったというような一過性要因の赤字は、銀行の評価はまだ好意的です。

 

本業自体は赤字ですので経営改善を求める必要はありませんし、赤字の原因も一過性ですので、赤字原因を取り除く必要もないことになります。

 

銀行としては、優良な融資を実行する機会にもなるため、原因が明確な一過性要因の赤字であれば、融資は比較的行ってくれる可能性が高くなります。

 

 

連続赤字は要注意!

赤字が数年続いている場合は要注意です。赤字は1期でも問題のある事態であり、本来であれば、経営者として、すぐに改善に取り組むべき状態です。

 

にも関わらず、2年、3年と赤字が続いている場合、銀行は、経営者の経営能力自体に不安を持つ可能性があります。

 

また、赤字が数年続いている場合とは、慢性的な赤字体質だととらえられ、事業内容を根本的に見直す必要に迫られてきます。

 

 

減価償却前利益は黒字か赤字か?

最終利益が赤字でも、返済原資である減価償却費を計上する前が黒字ならまだ融資を受けられる可能性があります。この段階の利益は、償却前営業利益や、償却前当期純利益と呼ばれる数値を確認します。

 

償却前利益は、対象となる利益+減価償却費で計算できます。以下に具体例をあげてみましょう。

 

当期純利益=▲200万円、減価償却費800万の場合、償却前当期純利益=600万となります。この時、減価償却費は、キャッシュアウトしない費用になりますので、実際、手元にも600万円の利益が残ることになりますので、銀行への返済原資として600万円が残っていることになります。

 

 

 

融資実行に結びつけられる対策

赤字の会社が銀行から融資を受ける方法として、考えうる、あの手この手の対策を、以下にいくつか述べてみます。

 

 

経営改善計画書の提出

「自社は今赤字で苦しんでいますが、近い将来黒字企業に復活します」という計画を銀行に示すことによって、銀行から融資の承諾を得られることがあります。銀行としても、現時点が赤字であったとしても、高い可能性で黒字化すると解っているなら、融資を断る理由はありません。

 

経営改善計画や事業計画を作成して、資金調達を希望する経営者は、銀行に対して、赤字解消=業況改善の見込み対策を経営改善計画書として提出し、銀行の承認を得る必要があります。

 

赤字の場合、事業計画は、必須の提出書類ではありませんが、銀行から提出要請がある前に、自主的に提出すると、銀行の心証も良く、自社の積極的姿勢もうかがえます。

 

事業の再建計画書の骨子としては、「自社の現状分析」、「問題点把握」、「対策立案」といったことを具体的・簡潔に要領よくまとめ、計数による向こう数期間の業績予想・計画も併せて作成します。

 

赤字企業が決算書を提出した場合や融資を申し込んだ場合、たいてい銀行員からは「今後の業績挽回策については、どのようにお考えですか?」と尋ねられます。したがって、先手を打って本計画書を提出すれば、提出要請があった後の当方の心理的負担や手間ひまが省けることにもなります。

 

なお、経営改善計画や、事業計画の作成にあたっては、「合理性」、「蓋然性」が大切です。つまり、絵に描いた餅ではなく、実現可能と思える計画であることが大切です。

 

良く出来た経営計画は、赤字であっても銀行から融資を得られたり、積極的なサポートが得られるようになります。一方、実現可能性が低い計画を作っていると、銀行から経営者の能力に懸念を持たれ、融資を引き揚げられるきっかけともなります。

 

アステップ・コンサルティングでは、赤字の改善に向けた経営改善計画作りに加え、銀行からの資金調達に向けたお手伝いも可能です。是非、ご相談下さい。

 

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アピール上手になる

これまでの、[過去の決算書重視、担保・保証に依存した融資]を生んできた「金融検査マニュアル」が2019年3月末を目途に廃止されます。

 

金融検査マニュアルの廃止によって、銀行の対応が急変することはないでしょうが、金融庁はそれ以後の、というよりも既に金融検査マニュアルが生んだ弊害を除去する上での新しい融資方針を求めています。

 

この融資方針は、「事業性評価にもとづく融資」として、銀行に要請されています。

 

そこでは、従来のように過去の決算書にもとづく定量的分析だけで判断せず、その企業の事業そのものに対する定性的な評価も加味するよう求められています。

 

銀行としては正直、「決算書だけに依存するな」と言われ、「事業性」などという不鮮明・不確実なものを評価して融資しなければならない、といったジレンマがあります。

 

したがって赤字企業としては、こうした銀行側の消極的な思いを逆手にとって、自社の強みを積極的に自社の方からアピールしていくのです。

 

すなわち、経営者の資質、自社の技術力や販売力など計数で表せない項目に関することですが、「当社のこういうところを評価してください」と口頭のみでなく、形として残るよう文書・図・写真・絵などで特徴づけてアピールし、自社を「貸せる先」だと認識してもらうのです。

 

 

銀行の担当者を味方につける

業況の良くないときは、銀行に出向いて業況説明するのは辛いものです。銀行に行けば行ったで「何をしに来たんだ?」と言わんばかりに、うっとうしく思われそうです。

 

しかし、それを我慢して続けていますと、銀行の評価は変わってきます。

 

「毎月毎月、律義によく来られる」というようになるもので、誠実に一生懸命頑張っている人や企業には、銀行員も支援の手を差し伸べたくなるものです。

 

また、もう一つ、銀行の担当者はその業務として、自社の融資稟議書を作成し、銀行内部で自社の立場に立って、上司や本部を説得してくれます。定期的に銀行の融資担当者に業況を説明しておくことで、銀行担当者が内部的に説明するうえで、十分な状況を提供することになります。

 

銀行から融資を引き揚げられる原因の1つは、融資先企業のことをよく理解していないために、保守的に対応してしまうことです。そのため、経営者は、十分に自社の状況を説明して、理解してもらうことが非常に大切です。

 

銀行の融資担当者は、自社と銀行をつなぐパイプ役でもあります。

その人と良好な人間関係を保っておくことは、融資を受けやすくするための有効な方策です。

 

 

まとめ

赤字企業であっても銀行から融資を受けることは可能です。

 

しかし、銀行への説明方法や、関係づくりが良く無いと融資を受けることは出来なくなります。

 

赤字が問題となる原因や、認められる赤字のケースをよく理解し、銀行に上手く説明できるように準備が必要です。

 

資金調達や、経営改善を検討されている方は、是非、アステップ・コンサルティングにご相談下さい。

 

 

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