事業を新たに始めるのは大変ですが、産業界にとっても、地域経済にとっても新たに起業する創業者が増えるのは歓迎すべきことです。起業数が減少すると、経済は衰退する可能性もあります。
ですから、地方自治体は積極的に、事業を始める人に助成金・補助金を支給し、創業を後押ししょうとしています。そのなかでも、東京都で事業を始めようという方には、非常に人気のある「創業助成金」が用意されています。令和2年の公募が2月25日に発表されました。
東京都で創業を検討している方、もしくは創業間もない方に「東京都の創業助成金」をご紹介します。対象になる方は申請ご検討されてみてはいかがでしょうか。
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東京都で受けられる創業助成金の概要を見ていきましょう。
全国的には「創業助成金」は複数ありますが、今回は東京都が実施している「もっとも制限の少ない」、基本となる助成金(創業助成金)を取り上げます。
東京都の創業助成金の正式名称は、「令和2年度(2020年度)第1回創業助成事業といいます。「○○助成金」といったわかりやすい名称がついていません。
創業助成金の限度額は300万円です。補助率は、実際に要した費用の3分の2までとなっています。
創業助成金の対象は、交付決定日以降の費用で、最長2年間の間に発生した費用実額が補助金の対象となります。
創業助成金の対象となる経費には、以下のようなのものがあります(これらが対象となる経費のすべてではありません)。
・人件費
・賃借料
・広告費
・備品費
補助率3分の2というのは、450万円の経費を使うと、そのうち300万円が補助金で返ってくるということになります。自己資金がすくない、資金切りが厳しい、創業時には大いに助かる助成金と言えるでしょう。
東京都の創業助成金は東京都中小企業振興公社が窓口です。東京都中小企業振興公社は東京都の関係する公益財団法人です。
なお、この創業助成事業はいつでも申請できるものではなく、時期が限られますからご注意ください。第1回の受付期間は令和2年4月13日(月)から21日(火)です。例年、ほぼ同様の時期に募集が行われています。
そして、東京都の創業助成金では、令和2年10月頃に第2回募集があることも公表されています。平成30年度の場合は、11月1日から9日までが受付期間でした。非常に短いので機会を逃さないようご注意ください。
創業してからでも申請ができますが、助成金支払決定以前に支払った経費については助成の対象にはなりません。
東京都の創業助成金から助成金をもらえるのは、まず、次のすべてに該当する人です。「東京都」の助成事業であるため、事業を営んでいる地域が重要です。
・東京都内で事業を営む人
・創業計画が東京都中小企業振興公社に採択されること
申請者の住所は問われませんが、事業の場所は東京都内である必要があります。
そして、この助成金は創業計画を採択されないともらえません。毎年、数多くの申請者の中から審査によって採択者が選考されます。助成に値する事業である点であることに、お墨付きをもらわなければならないのです。
さらに、東京都の創業助成金の対象となるには、次のいずれかに該当している必要があります。
・都内での創業を、具体的に計画している個人
・法人登記して5年未満の中小企業者
・法人登記して5年未満のNPO法人で、中小企業者の振興に資する事業を行うために、中小企業者と連携し、または中小企業者が 主体となって設立したもの
・開業の届出をして、5年未満の個人事業主
・一般社団法人、個人開業医などは対象外
これから創業する方、もしくは創業から5年未満の方が対象となります。
さらにもうひとつ、創業助成事業申請の要件があります。申請者は、次のいずれかに該当する必要があります。こちらの要件を充足するのが意外と大変です。
・都内の市区町村が行うセミナーや創業塾、個別相談を受講して、「認定創業者」の証明を受けていること。
・東京商工会議所、東京都信用保証協会、東京都商工会連合会、中小企業大学校東京校BusiNestが実施する起業塾や創業スクール、セミナーなどを受講していること
・以下の創業支援施設に入居、または以前に入居していた者
東京都ライフサイエンスインキュベーションセンター、東京コンテンツインキュベーションセンター、青山創業促進センター、ソーシャルインキュベーションオフィスSUMIDA、ベンチャーKANDA、タイム24、インキュベーションオフィスTAMA、白鬚西R&Dセンター
・東京都インキュベーション施設運営計画認定事業において認定を受けた施設に入居、または以前に入居していたこと
少々複雑に思えますが、東京都の市区町村の創業セミナーに通っている人であるなら、該当者となるのは容易のはずです。商工会議所等のセミナーの多くも(すべてではありません)該当します。
現時点で申請要件を満たしていない経営者でも、これから申請に向けて要件を充足することが可能です。東京都の創業助成金に申請を希望される方は、要件の確認、充足からアステップ・コンサルティングがお手伝いいたしますのでご相談下さい。
▼ご相談はこちら
比較的門戸は開かれている創業助成事業ではありますが、採択されないと助成は受けられません。採択のためには、中小企業振興公社による面接もあります。
東京都の創業助成金の採択率は公表されていませんが、決してその門は広くないようです。
どのような事業者が、創業助成事業に採択されているのでしょうか?東京都中小企業振興公社のサイト「TOKYO創業ステーション」にも、平成27年度と28年度の採択結果が簡潔に掲載されています。簡潔ではありますが、ユニークな採択例が多数見られます。ぜひ目を通してください。
さらに実際の採択例を知るためには、「創業助成事業に採択」で検索してみましょう。採択された企業のWebサイトで、このような例が見つかります。
・トレーニング中の人の食事を提供するビジネス
・ワークショップを開きたい企業と参加したい個人を結びつけるビジネス
・ITを活かした学習支援
要はアイディア(新たな事業、市場を創出など)と、実現に向けた具体性(実現可能性)が高いことが肝心といえます。新規性、革新性、そして実現可能性が重要なポイントです。
東京都中小企業振興公社の実施している創業の助成金はまだあります。用途は多少限られますが、ビジネスによってはそちらのほうが向いているでしょうし、恐らく採択率も高いはずです。
以下、二つの助成金は、商店街で開業する人が利用できるものです。
すべての業種が助成金の対象になるわけではありませんが、商店街に普通にあるような店舗であれば、医療やパチンコ店などでなければ、該当する可能性が高いでしょう。
東京都内の商店街で、新規店舗の開設、または事業承継を行う個人・中小企業者に対する助成です。平成30年は計3回申請を受け付けています。
最大で次の額の助成金を受けることが出来ます。
・事業所整備費 250万円
・実務研修受講費 6万円
・店舗賃借料 (1年目)月15万円、(2年目)月12万円
・助成限度額 580万円
・助成率 3分の2
前述の、「商店街起業・承継支援事業」の一部をなすもので、女性と40歳未満の男性に対し、助成率・助成額をアップした内容です。
・事業所整備費 400万円
・実務研修受講費 6万円
・店舗賃借料 (1年目)月15万円、(2年目)月12万円
・助成限度額 730万円
・助成率 4分の3
東京都の創業助成金への申請をご検討であれば、アステップ・コンサルティングにご相談ください。
アステップ・コンサルティングでは補助金、助成金申請をサポートさせて頂いているだけでなく、創業、開業時の各種ご相談にも複合的に対応しています。
資金調達、事業計画の作成、プロモーション、経営管理など、創業者をサポートさせて頂いています。
東京都の創業助成金への応募もサポートをさせていただきますので、まずはご相談ください。
東京都が実施している創業助成金(東京都中小企業新興公社)についてのまとめです。
・創業助成金の名称は、「創業助成事業」
・助成額は最大300万円/補助率3分の2
・年中募集しているわけではないので時期を逃さないこと
・創業助成事業で助成金を受けるためには採択が必要
・採択に大事なのは、ビジネスのアイディアと実現に向けた具体性
・商店街で起業する場合には、他に二種類の助成制度もある
令和2年(2020年)の10月頃にかけて2次募集も予定されています。実施予定であることは、中小企業振興公社のホームページ内でも公表されています。
資金力が決して潤沢でない創業者にとって、創業助成金は非常に重要な補助金です。有効活用することで、事業の成功可能性を高めることができるでしょう。
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