中小企業者が利用できる補助金として「ものづくり補助金」があげられます。
最大1,000万円を補助してもらえる人気の補助金ですので、申請を考えている経営者も多いと思われます。
なお、ものづくり補助金は事業者単独で申請準備する以外に補助金申請コンサルタントに依頼する方法がありますので、どちらの方法で申請するかを選択する必要があります。
今回は補助金申請コンサルタントに依頼するメリット・デメリットや効果についてご説明します。
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ものづくり補助金とは「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(2021年度)の略称です。
名称が長いことと、年度によって名称が少し変わることもあるため、一般的には「ものづくり補助金」や「もの補助」などと呼ばれています。
ものづくり補助金は中小企業者が利用できる補助金のなかで補助額が最大規模(1,000万円・一般型)ということもあり、非常に人気が高く、毎年多くの中小企業や個人事業主が申請されています。
また、ものづくり補助金のグローバル展開型であれば最大3,000万円が補助されます。
ものづくり補助金の概要(一般型)
名称 |
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 (ものづくり補助金) |
概要 |
中小企業者等が行う「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援 |
補助額 |
100万円~1,000万円 |
補助率(通常枠) |
2分の1~3分の2 |
補助率(コロナ対策特別枠) |
3分の2~4分の3 |
補助対象経費 |
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費など |
ものづくり補助金の一般型の場合、1,200万円の設備投資であれば最大で800万円(小規模事業者の場合、小規模事業者以外は600万円、新型コロナウイルス特別型であれば最大900万円)を補助してもらえます。
ものづくり補助金の概要(グローバル展開型)
概要 | 中小企業者等が海外事業の拡大・強化等を目的とした「革新的な製品・サービス開発」又は「生産プロセス・サービス提供方法の改善」に必要な設備・システム投資等を支援(①海外直接投資、②海外市場開拓、③インバウンド市場開拓、④海外事業者との共同事業、のいずれかに合致するもの) |
補助額 | 1,000万円~3,000万円 |
補助率 | 2分の1~3分の2 |
補助対象経費 | 機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費 |
ものづくり補助金が魅力のある補助金であるということはお解りいただけたと思います。
それでは、ものづくり補助金の申請をコンサルティング会社に依頼するメリットはどういったところにあるのでしょうか。
結論から言えば、補助金に採択される可能性が高くなり、申請企業の業務効率化、さらには費用対効果も高くなるという点がコンサルタントを活用するメリットだと言って良いでしょう。
もちろん、ものづくり補助金はコンサルティング会社に依頼せず、会社単独で行うことも可能です。
しかし、コンサルティング会社にサポートを依頼した方が良い根拠として、期待できる効果をあげると以下のようなものがあります。
それでは、それぞれの項目について解説していきましょう。
ものづくり補助金に申請するためには様々な要件に充足していることを確認したうえで、公募要領に沿った申請手続きを進めていく必要があります。
しかし、この公募要領は慣れていない方には非常に読みづらく、簡単に理解できるものではありません。
公募要領は熟読してしっかりと理解しておかないと要件を充足せず、申請自体が無駄になってしまうことも多々あります。
また、2020年のものづくり補助金からは公募要領のページ数が削減されて内容が簡素化されました。
そのため申請を希望する事業者にも読みやすくなっています。
しかし、注意したいのは、簡素化された分だけ、補助金申請が簡単になったわけでは無いということです。
ものづくり補助金の申請手続き自体は前年度とそれほど大きく変わりません。
むしろ、電子申請に完全に移行されたこともあり、注意点などは増えたと言っても良いでしょう。
公募要領のページ数が減った分、本来記載されるべき申請のためのポイントや、手続きの方法、注意事項などが省略され、公募要領では十分に説明されていないという大きな問題を抱えています。
そのため、慣れていない方が公募要領を確認して申請しようとしても、手続き方法が解り辛く、作成方法を誤ってしまうという問題が起こっています。
つまり、公募要領を簡略化しすぎたために、却って申請が難しくなってしまっている部分もあるのです。
また、ものづくり補助金では決められた期限内に申請を完了させる必要があります。
期限後に申請することはできません。
また、締め切り後、次回の期限に申請する場合、設備を実際に購入できる時期も大幅に後ろ倒しになってしまいます。
そのため、申請時には、申請手続き全般を理解して、漏れなく、そして段取り良く全体の手続きを進めていく必要があります。
しかしながら、こういった段取りや、スケジューリングも慣れていないと難しいものです。
補助金申請コンサルタントがサポートしていると、こういった手続き全般を漏れなく進めていくことができます。
そのため、確実に申請を行うことができるのです。
ものづくり補助金は申請すれば誰でももらえるというものではありません。
申請後には審査が行われ、審査をクリアしたものだけが補助金を受け取ることができます。
そして、審査は事業計画書の内容を重視して行われます。
つまり、事業計画の内容が良く、事業者の成長などに効果が高いと判断されるものなどが採択されます。
過去の採択率(採択された者数÷総申請件数)で言えば、年度ごとに前後しますが、4~5割程度となっています。
つまり、10社申請すれば4~5社が採択され、残りは不採択となって補助金を受け取ることができません。
そのため、申請することだけを目標にするのではなく、採択されるための申請準備を考える必要があります。
ものづくり補助金の審査に通るためには、審査基準にそった事業計画書や申請書を作成する必要があります。
具体的なポイントをあげれば、以下のような点を満たした事業計画書が求められます。
以上のような点を満たす事業計画を作成する必要があります。
しかし、ものづくり補助金の申請に慣れていない方にとって、これらのポイントをどのように満たせば良いのか、またどのような基準で審査されるのかが解りにくいところでしょう。
そのため、経営コンサルタントのサポートを受けながら事業計画書、申請書を作成した方が採択される可能性も高くなるのです。
また、アステップ・コンサルティングでは事業計画の作成をサポートすることに加え、事業者の考えを申請書に反映させるための申請書作成代行なども対応可能です。
また、ものづくり補助金に申請して採択されるためには「事業計画書」「申請書」以外にも大切なことがあります。
加点項目を出来るだけ多く満たしておくことも大切です。
加点項目というのは、前述のような審査規準とは別で、直接プラスαのポイントがもらえる措置です。
同じ事業計画書なら加点項目を多く取った事業者が採択されやすくなります。
2020年(令和二年度・令和元年度補正)ものづくり補助金の場合、「事業継続力強化計画」や「経営革新計画」、「新型コロナウイルスへの対策」、「小規模事業者」、「賃上げへの取組」などの加点項目が用意されています。
これらの加点項目のうち、可能なものを多く対応しておくことが採択されるためには大切です。
しかし、加点項目に対応するにはそれぞれの加点項目の制度内容なども理解しておく必要があります。
ものづくり補助金の公募要領を理解して申請するだけでも手間がかかるにも関わらず、その他の制度を調べて申請するなどは容易ではありません。
補助金申請を経営コンサルタントにサポート依頼した場合、これらの対応もサポートしてもらうことができます。
そして、もっと重要なポイントがこちらです。
中小企業の場合、必要最小限の人員で業務を行っているところも多く、経営者や従業員は本業で忙しく、補助金申請に手間をかける余裕がないというのが一般的です。
そのため、補助金申請の準備に避ける時間が無く、本業に専念したいと言う企業も多いでしょう。
さらに、ものづくり補助金の申請に慣れていない方が初めて対応する場合、制度の概要などを基礎から確認して理解する必要があるため相応の時間がかかってしまいます。
これでは、本業に悪影響を及ぼしたり、従業員の残業が増えるなどの問題も起こってしまうかもしれません。
補助金申請をコンサルタントに依頼した場合、手間がかかる業務が大幅に削減され、加えて効率的に申請準備を進められるように助言、サポートが得られます。
そのため、経営コンサルタントを活用することで経営者や従業員は本業に専念して、本業で利益を増やすことに専念することができます。
また、補助金申請を企業・個人事業主が単独で行う場合と、補助金申請のコンサルタントに依頼する場合では、補助金が採択される確率にも大きな差があります。
2020年のものづくり補助金(1次・2次締め切り分)において、経営コンサルタントなどの支援者がいるかどうかで採択率に明確な差が発生しています。
実際の数値で確認してみましょう。
全く支援者が存在していない、つまり事業者が単独で申請する場合の採択率は52.2%であったと報告されています(出所:ものづくり補助金事務局公表データ)。
一方、経営コンサルタントなどの支援者が存在する場合、採択率は78%にまで上昇します‘(報酬が採択額に対して10%~15%のコンサルタント場合)。
つまり、26%もの採択率の差があったということが解ります。
ものづくり補助金の申請は事業者が単独で行うことも可能ですし、2020年からは認定支援機関(経営革新等支援機関)による事前確認も不要とされました。
そのため、申請手続きは簡素化されたと言えます。
しかし、採択率に26%もの差があることには注意して頂きたいと思います。
せっかく、経営者や従業員の労力を費やして申請を行っても、採択されなければ苦労が無駄になってしまうことになります。
そのため、少しでも採択率を高めるためには経営コンサルタントなどの意見やサポートを得ながら申請準備を進めたほうが良いと言えるでしょう。
アステップ・コンサルティングのものづくり補助金申請コンサルティングにおいても、採択率は80%前後を維持しています。
是非、採択を目指して、補助金申請のコンサルティングサービスを活用して頂きたいと思います。
また、補助金申請のコンサルティングサービスを活用するメリットは他にもあります。
それは、ものづくり補助金の採択率や、申請手続きの効率化だけではありません。
採択後のサポートにおいてもメリットがあります。
ものづくり補助金は採択されればそれで終わりというものではありません。
その後の処理や管理が悪いと補助金を受け取れないということもあり得ます。
採択されてからは事務・管理手続きが重要となります。
これらの事務・管理手続きに対して、アステップ・コンサルティングでは別途コンサルティングサービスを行っております。
ものづくり補助金が採択されれば終わりではなく、その後の補助金受け取りまでの手続きや、その後の毎年の報告・管理に対するサポートを受けられるのが補助金コンサルティングのメリットの1つとなります。
さらに、ものづくり補助金による設備投資は「経営力向上計画」や「先端設備導入計画」など、別途で政府が行っている支援策を活用することで、メリット・効果を最大化させることができます。
補助金申請コンサルタントを活用した場合、こういった追加的な施策に対する提案やサポートを受けることも可能です。
当社の関連サポート
2021年、ものづくり補助金の申請を検討されている事業者様で、コンサルタントにサポートを依頼するかどうかを迷われている方は、是非、アステップ・コンサルティングにご連絡ください。
もちろん、コンサルタントを探しておられる方もご連絡お願いいたします。
アステップ・コンサルティングではものづくり補助金の申請可否や、採択可能性に関する簡易診断、費用のお見積りなどを無料で行っております。
まずはお気軽にご相談ください。
今回はものづくり補助金を例として、補助金申請時に経営コンサルタントを活用するメリット・デメリットや効果などについて説明いたしました。
もちろん、コンサルタントに依頼する場合は報酬が発生します。
各事業者様が単独で申請すればこれらのコンサルティングフィーは省くことが可能です。
しかし、各事業者様が単独で申請される場合、多忙な経営者や従業員の時間を大幅に費やすことになります。
これでは、本業に悪影響があり、売上高の減少や労働時間が長くなってしまうなど、却って損するということもあります。
コンサルタントを活用した方が、結果的に時間や手間の節約になることもありますので良く検討頂くことをおすすめいたします。
せっかくの補助金制度ですので、上手に活用して、事業の成長に活用していただくことをおすすめいたします。
採択されるためのものづくり補助金申請書・事業計画書作成のポイント
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