補助金・助成金サポート

ものづくり補助金は3つの審査基準をおさえて申請書・事業計画書を作るべし!

中小事業者が設備投資を行う際に是非とも活用したい補助金の1つが「ものづくり補助金」です。ものづくり補助金は採択されれば、最大1,000万円(グローバル展開型なら3,000万円)もの返還不要の補助金を得ることができます。

 

しかし、補助金には審査がありますので、選ばれなければお金を得ることもできません。ものづくり補助金への申請を検討している方に知っておいて頂きたい重要な審査項目を解りやすく解説いたします。

 

 

審査に通らないともらえない

ものづくり補助金の正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」(2020年現在)です。略して「ものづくり補助金」というわけです。

 

ものづくり補助金に限らず、補助金には申請のための要件が設けられています。申請要件とは、補助金の対象になり、申請できる方の条件です。しかし、条件を満たしていればそれだけで良いというわけではありません。補助金になれていない事業者の場合、補助金と助成金を混同して、申請要件を満たせばもらえるものだと勘違いされている方もいるようです。しかし、補助金と助成金は異なります。

 

稀に例外もありますが、助成金は厚生労働省などが実施するもので、新規採用を行うなど、要件を満たした事業者が一律で受け取ることのできる制度です。一方、補助金は中小企業庁などが実施するもので、要件を満たしていることを最低条件とし、その中で審査が行われて、審査基準に従って高評価を得た事業者、もしくは優れていると判断されたものだけが受け取れるのが補助金です。

 

つまり、補助金は審査で高い評価を受けることが大切です。もちろん、ものづくり補助金も例外ではありません。審査が行われて、補助金を受け取ることのできる事業者が選定されます。審査で認められないと、せっかくの補助金も受け取ることができません。

 

審査基準を満たすことを伝える

ものづくり補助金への申請では、審査の対象となる「申請書」、「事業計画書」の作り方が重要です。

ものづくり補助金への申請を検討されている事業者のなかに、電子申請の画面に従って必要項目を入力すれば補助金が受け取れると誤解されることがあります。しかし、当然ながらこれは大きな誤りです。

 

ものづくり補助金では電子申請画面への入力以外に、添付資料として「事業計画書」が求められます。この事業計画書は電子申請画面のように記載すべき内容を詳細に指示してもらえるわけではありません。しかし、審査はこの事業計画書に対して行われますので、非常に重要な部分です。

 

忘れてはいけないのが、事業計画書は申請者が自由にアピールすれば良いわけではないということです。事業計画書の作り方にもコツがあります。

 

ものづくり補助金の審査では、評価の対象となる項目があります。この評価項目を無視して、自由に事業計画書を作っているだけでは高評価を得ることは難しいでしょう。審査で求められる基準に従って事業計画書を作ることが大切です。審査基準が解っていれば、その基準にあわせた事業計画書を作れば良いのです。

 

ものづくり補助金は人気・注目度の高い補助金ですので、毎年何万という企業や個人事業主が応募しています。そのなかで上位の評価を受けることは容易ではありません。高い評価を受けるためには、要点をおさえて事業計画書を作成する必要があります。

 

ものづくり補助金は審査基準に適した事業計画書を作る必要がある

 

審査の3つの視点

ものづくり補助金の公募要領には、審査で評価するポイントが示されています。しかし、漠然と記載されており、補助金申請や事業計画書の作成になれていないと、どういったことを説明すれば良いのか解り辛いのが正直なところでしょう。

 

ここでは、ものづくり補助金の公募要領で求められている審査基準と、審査基準を満たして高評価を得るための説明方法について説明します。

 

技術面の審査

ものづくり補助金の審査基準の1つ目は「技術面」における審査です。ものづくり補助金で言う「技術」とは、商品力やサービス力などと考えれば良いでしょう。技術面の審査において評価されるポイント・基準は「新製品・新サービスの革新的な開発となっているか」です。ものづくり補助金では「革新性」が技術面の重要な審査項目になっています

 

この革新性は意外に見落としがちなポイントですので注意しましょう。

 

ものづくり補助金は設備投資を行えば申請の対象になると誤解されている方もいるようです。しかし、ものづくり補助金は単なる設備投資を目的とした補助金ではなく、革新的な開発のための設備投資が対象になるという点に注意しておく必要があります。この革新的な開発という点が重要です。

 

ものづくり補助金の開発とは?

ただし、「開発」と言っても、必ずしも大規模な「研究・開発」を伴うものだけが補助金の対象になるわけではありません。ここで言う開発は意味が異なります。

 

例えば、ものづくり補助金の特徴として、サービス業が行う「新サービス」の展開も補助金の対象になるという点があげられます。こういった新サービスには、「工夫」や「アイデア」が盛り込まれていても、「研究開発」といった言葉で表現しにくにものも多いでしょう。しかし、この工夫やアイデアも開発として認められ、技術力の評価対象になると考えられます。

 

また、ものづくり補助金では「新たな生産方式の導入」や「新たな提供方式の導入」も補助の対象とされています。こういった生産方式の導入や提供方式の導入の場合、そもそも「新製品・新サービスの革新的な開発」という審査基準を満たさないことになってしまいます。

 

しかしながら、これらの生産方式・提供方式の導入に関する申請も実際に採択されて、しっかりと補助金を受け取ることも可能です。

 

革新的であるか?

次に注目したいのが「革新的」という部分です。

ものづくり補助金では、対象となる設備が「新製品・新サービス」の開発を目的とするものであっても、「新たな生産方式の導入」や「新たな提供方式の導入」のためのものであっても、「革新的」であると認められることが大切です。

 

それでは、この革新的という言葉はどういったものを求められているのでしょうか?

 

ものづくり補助金の「革新性」の意味

ものづくり補助金が求める革新的とは、「直接競争相手となる同業他社において一般的でない」程度の新しさと考えておけば良いでしょう。一般的でないというのがポイントです。ものづくり補助金では誰も導入したことのない「未知の技術」や「今まで見たこともないような商品・サービス」までは求められていません。

 

つまり、他業界や、直接競争していない同業他社、もしくは同じ業界内で、既に導入された実績のある設備などであっても対象になります。もちろん、既に存在する商品や提供方式に、新たな工夫を加えるといったポイントがあると評価は高くなります。

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ものづくり補助金への申請時には、自社の取組がどのように革新的取組みに該当しているのかをアピールする必要があります。

 

課題を明確にする

「事業計画書」を作成するにあたり、対象となる設備を導入するにあたっての「課題」を明確にする必要があります。課題とは、設備投資が必要と考える理由や、設備投資時に開発を要するポイントなどです。

 

そして、設備投資を行うことで、どのように課題を解決できるのかも同様に明確にする必要があります。設定した課題が妥当なものであると認められること、及び、その課題の解決に設備投資が貢献していることを説明することで、その設備投資が必要であるということを伝えることができるのです。

 

研究開発のイメージ2

 

事業化面の審査

事業化面の審査項目とは、一般的に認識されている「事業計画書」の内容だと考えれば良いでしょう。

ものづくり補助金の申請においては、前述の通り、「新商品・新サービスの開発」、もしくは「新たな生産設備の導入・新たな提供方式の導入」のどちらかの目的に絞って申請を行います。

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このどちらにおいても、最終的には申請者の事業が強化され、「利益が増える」といった効果が目的に含まれるはずです。この利益を増やすという目的をどのように実現させていくのかを説明するのが事業化面における審査基準だと考えれば良いでしょう。

 

間違っても、「設備投資を実施すれば利益が増える」といった「過度に省略した説明」を行わないようにしましょう。これでは説明は不十分ですし、審査でも評価されません。

 

通常、どのように素晴らしい設備投資の取組であっても、それだけで利益につながるわけではありません。その後に、事業を軌道に乗せるための戦略や取組が不可欠です。また、事業は自社だけで行うものでもありません。顧客や競合他社が存在しています。

 

自社の特徴、顧客、競合他社など、事業環境の分析に加え、どのように事業を利益につなげていくのかといった戦略・ストーリーを説明するのがこの審査基準になります。

 

政策面の審査

ものづくり補助金の3つ目の審査基準が「政策面の審査」です。

政策面の審査項目とは、補助金を実施する政府が特に推奨する項目を満たしているかどうかです。政策の方針に沿った事業計画は優遇されるというわけです。

 

政策面としては以下の4項目が対象であり、該当する事業者は審査で有利になります。

 

  1. 地域の特性を生かして高い付加価値を創出し、地域の事業者等に対する経済的波及効果を及ぼすことにより地域の経済成長を力強く牽引する事業を積極的に展開することが期待できるか(グローバル展開型では、事業の成果・波及効果が国内に環流することが見込まれるか)。
  2. ニッチ分野において、適切なマーケティング、独自性の高い製品・サービス開発、厳格な品質管理などにより差別化を行い、グローバル市場でもトップの地位を築く潜在性を有しているか。
  3. バイオマス素材を用いた資源循環型プラスチック製品の開発等、環境に配慮した持続可能な事業計画となっているか。
  4. 新型コロナウイルスが事業環境に与える影響を乗り越えてV字回復を達成するために有効な投資内容となっているか。[特別枠のみ]

 

以上、ものづくり補助金の3つの審査基準(技術面、事業化面、政策面)について解説しました。申請にあたっては、これら3つの審査基準を満たしていることを意識して事業計画書を作成する必要があります。

 

2020年ものづくり補助金の重要ポイント

2020年のものづくり補助金(令和元年度補正・令和二年度補正 ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)は、前年度までの制度に比べて、いくつかの変更点があります。

2020年のものづくり補助金への申請を検討されている方は以下の点を意識しておいた方が良いでしょう。

 

電子申請に完全移行

2020年から、ものづくり補助金の申請は電子申請に完全移行しました。それに伴って、郵送での申請は余程の事情が無い限り、認められなくなっています。

そのため、ものづくり補助金への申請を希望する方は、事前に政府が行っている「gbizID」を発行して準備しておく必要があります。gbizIDの発行が出来ていないと、申請できないということもあり得ます。

 

gbizIDの発行にも数週間の時間がかかることもありますので早めの準備が必要です。

 

加点項目の変更

2020年ものづくり補助金で加点項目として認められるのは以下の6項目となりました。

  1. 経営革新計画の認定
  2. 「小規模事業者」、または「創業・第二創業後間もない事業者(5年以内)」
  3. 新型コロナウイルスの影響を乗り越える設備投資(特別枠の申請者)
  4. 令和2年梅雨前線豪雨等による災害における被災事業者
  5. 事業継続力強化計画
  6. 賃上げ加点(給与支給総額を年率平均2.0%以上、地域別最低賃金+60円以上)

 

前年度まで加点項目として認められていた「先端設備導入計画」や「経営力向上計画」は加点項目から除外されました。2020年に加点項目を狙うのであれば経営革新計画や事業継続力強化計画に申請する必要があります。

 

また、創業から5年未満の事業者や、小規模事業者にも加点措置が加えられます。そのため、業歴の長い中堅企業だけでなく、小規模事業者、創業間もない事業者でも活用しやすくなったと言って良いでしょう。

 

新型コロナウイルスの特別枠

2020年ものづくり補助金には、新型コロナウイルスの影響を克服して業績回復に取り組む事業者用に特別枠が設けられました。特別枠に該当する事業者は「優先採択(加点)」の対象になることに加え、補助率の優遇(2分の1→最大4分の3)、加えて事業再開枠(別枠として50万円)を利用することができます。

 

新型コロナウイルスの特別枠として認められるのは、「サプライチェーンの毀損への対応」、「非対面型ビジネスへの転換」、「テレワークの導入」の3つです。この3つのうちのいずれかに、総投資額の6分の1以上を投資する必要があります。

 

 ものづくり補助金の新型コロナウイルス対策特別枠を徹底解説

 

数値的な審査基準

事業計画書を作成するにあたっては「定性的」な部分だけでなく、「定量的」な収支計画も作成する必要があります。そして、この収支計画にも審査で求められる基準があります。

収支計画の基準は以下の2点になります。

① 申請要件となる最低基準

② 費用対効果

 

利益が増加していくためのストーリー・戦略が必要

 

申請要件となる最低基準

2020年ものづくり補助金では、以下の3つを満たす事業計画を作成する必要があります。

  1. 給与支給総額を年率平均1.5%以上増加(被用者保険の適用拡大の対象となる中小企業が制度改革に先立ち任意適用に取り組む場合は、年率平均1%以上増加)
  2. 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上の水準
  3. 事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加

 

上記3つを満たしていないと、そもそもものづくり補助金に申請することができません。これが最低基準の要件です。

 

費用対効果が高いこと

ものづくり補助金の審査では費用対効果も審査基準に含まれます。費用対効果とは、設備投資を行った金額に対して、どれだけの売上高や利益が見込まれるかといったものです。

 

もちろん、同様の設備投資額に対して、より大きな売上高・利益が見込まれる方が、資金効率も良く、高い効果が期待できる(費用対効果は高い)と判断され、評価も良くなります。

 

しかし、数値計画の作成にあたっては、実現可能性・合理性のある内容であることが大切です。実現可能性を無視し、ただ数値だけ調整して計画しても意味がありません。定性的な事業計画の内容に照らし、達成できるであろう収支計画を作る必要があります。定性的な説明と照らし、根拠が乏しい、実現性の無いと考えられる数値計画は逆効果であると考えられます。

 

アステップへご相談ください

アステップ・コンサルティングは補助金申請にも対応する経営コンサルティング会社として、これまで数多くの事業者様をサポートして参りました。そのため、ものづくり補助金を始めとした各種補助金の実績・経験が豊富です。

 

さらに、アステップ・コンサルティングは経営コンサルティングを主要業務とすることから、資金調達や、経営管理、経営改善など、様々な課題にも対応いたします。まずはお気軽にお問合せください。

 

 アステップ・コンサルティングのものづくり補助金申請サポートサービス

 

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まとめ

ものづくり補助金が採択されて、補助金を受け取るためには、審査に通る事業計画書を作成する必要があります。

 

しかし、注意したいのは、「審査に通るための事業計画書」とは「嘘をつく」ということではなく、審査基準に沿った内容の事業計画書を作るということです。そのため、何を評価され、どこを見られているのかを理解して事業計画書を作成する必要があります。

 

こちらでご紹介した審査基準を参考として事業計画書、申請書の作成を行って頂くのが良いでしょう。

 

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