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【飲食店開業のポイント】女性スタッフを長続きさせるために「働き方」を見直そう!

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女性スタッフは、男性にはない細やかな心づかいで顧客満足度を高めてくれます。

そんな貴重な戦力である女性スタッフに長く働いてもらうためには、従来の雇用形態だけでなく、多様な働き方を取り入れることが必要です。

 

そこで今回は、女性スタッフが仕事を辞めたくなるのはどのようなときか、離職を防ぐためにはどのような対策が必要かについて具体的に解説していきます。

 

 

 

女性スタッフの離職率が高い理由は?

離職率というのは、一定期間内(1年あるいは3年など)に辞めていった従業員がどの程度いるのかを、前十院に対する割合で示したものです。

 

店舗ビジネスの飲食店にとって、離職率を抑えることは重要課題の1つです。しかし、厚生労働省の調査によると、全産業のうちで離職率が最も高いのが「宿泊・飲食サービス業」で、大学新卒者の3年以内離職率は50%に及ぶという結果が出ています。

 

つまり、10人入社して3年以内に5人は辞めていることになります。(厚生労働省 平成29年8月発表「新規学卒就職者の離職状況」より)。

 

一方、飲食業界は入職率も高く、離職率をわずかに上回っています。数値だけを見ればプラスになるので問題はないように思えますが、そうとは言えません。飲食店経営者が重視すべきなのは入職率より離職率のほうです。

 

仮に6人が新しく入ってきたとすると、6人はゼロからのスタートになるのに対し、辞めていった5人はひと通り仕事を覚え、戦力として店を支える存在になっていたのですから、お店にとっては大きな損失と受け止めなければなりません。

 

では、なぜ飲食店の離職率は高くなるのでしょうか。理由は年代や性別によって異なりますが、20~30代の女性スタッフに絞って見てみると次の3点が多数を占めています。

 

 

人間関係のストレス 

飲食業界の離職理由でとくに多いのが職場の人間関係によるストレスです。なかでも、アルバイト初日に簡単な指示があった程度で指導らしきことをしてもらえず、その後も孤立している感じがして、働く意欲を失ってしまったという声が多く聞かれます。

 

また、見習いたいと思える先輩がいなかったため、ほかの業界に転職したという人もいます。

 

 

休暇が取りにくい

次いで離職理由として多いのが休暇についてのものです。一般に飲食店は土・日・祝日が稼ぎどきですから、スタッフの休日は平日に設定します。

 

固定シフト制のところはとくに時間の融通が利かないため、友人や家族と週末のイベントを楽しむことができない、連休に旅行ができないといったことを離職理由にあげる人がいます。

 

結婚している女性は、出産・育児休暇制度が未整備のため、辞めたくなくても辞めざるを得ないというケースがあります。また、最近は「介護離職」という言葉がよく聞かれるように、親の介護のために仕事を続けることができないという女性も増えています。

 

 

給料が少ない

パート・アルバイトの時給は、長く勤務してもほとんど変わらないところが多いようです。

労働基準法では、パート・アルバイトに対しても雇用契約書に昇給の有無を明示することと定めていますが、昇給そのものを義務づけているわけではないので、同じ給与体系のまま雇用している経営者が少なくありません。

 

上昇志向の強い女性スタッフを雇用するにあたって、こういった雇用条件はマイナスになります。

飲食業界で働く女性にとって、昇給の見込みがないだけでなく、社会的な保障が何もなく、キャリアアップして上のポストに就くという目標も持てないため、少しでも給料の高いところへ、少しでも若いうちにと早期転職する人が多く見られます。

 

 

以上、女性スタッフの離職理由ワースト3をあげてみましたが、よく考えてみると、経営者自身が改善しようとすれば改善できることばかりです。

男性スタッフにはない細やかな気配りで顧客満足度を高めてくれる女性スタッフを確保するために、働き方を見直してみましょう。次項からそのヒントをご紹介します。

 

 

短時間正社員として雇用する

最近は、飲食業界にも「働き方改革」の取り組みが広まっています。その中の「短時間正社員制度」は、育児や介護をしながら正社員として働き続けることができ、従業員の満足度を高めつつ、有能な人材を確保できる制度であることから、導入する企業が増えています。

 

フルタイム(一般に1日8時間で週5日勤務)のアルバイトよりも短い勤務時間で正社員と同じ待遇を受けられるもので、次の2つの要件を満たす労働者を指します。

  • 期間の定めのない労働契約(無期雇用契約)に基づいて雇用されている。
  • 1時間当たりの基本給、賞与、退職金等の算定方法が同種のフルタイム正社員と同じである。

 

この短時間正社員制度のメリットとしては、以下のようなことがあげられます。

 

メリット1.正社員としての待遇を受けられる

パートやアルバイトは有期雇用契約のため、期間満了になれば契約解除になることもあり得ますが、正社員は無期雇用契約なので定年まで勤めることが可能です。

社会保険と労働保険が完備していて、就業規則に基づいて有給休暇や賞与なども受けることができますので、従業員も安心して働き続けることができます。

 

 

メリット2.責任のある仕事に就くことができる

パートやアルバイトは毎日同じ仕事の繰り返しになりがちですが、正社員となると店舗運営にかかわる責任のある仕事が増え、それだけやりがいを感じることができます。

 

短時間労働の女性従業員とはいえ、正社員として働くようになれば、キャリアアップして管理職に就く道も開かれています。

 

 

メリット3.時間的余裕ができる

短時間労働が前提ととなり、時間的な余裕があるため、育児または介護と仕事を無理なく両立させることができます。未婚女性であれば、趣味や習い事などに時間を使うことでより充実した生活を送ることができます。

 

 

メリット4.経営者は有能な社員を採用できる

経営者にとっての最大のメリットは、働く意欲も能力もある人材を獲得できることです。

 

これまでは働きたくても家庭の事情で辞めざるを得ないという女性が多かったわけですが、そのような人を採用することで強力な即戦力として働いてもらうことができるようになりました。

 

 

メリット5.要件を満たせば助成金がもらえる

短時間正社員制度は、厚労省の「キャリアアップ助成金制度」の1つで、要件を満たせば助成金を受けることができます。

 

既存の正社員やパート・アルバイトから短時間正社員に転換するケースと、最初から短時間正社員として雇用するケースの2通りあります。助成金は最初の1人目が20万円で、2人目から各10万円、全部で10人まで支給対象とされています。

 

なお、助成金の申請には「事前の計画」の作成・届出が必要です。詳細は厚生労働省短時間正社員制度導入支援ナビで確認してください。

 

<キャリアアップ助成金ってどんな制度?>

非正規労働者を正社員にすれば助成金がもらえる!? 経営者が知っておくべきキャリアアップ助成金のポイント解説

 

このようにメリットの多い短時間正社員制度ですが、デメリットもあります。以下、デメリットのまとめとなりますので、確認してみましょう。

 

デメリット1.責任が重くなり、負担になる人もいる

短時間勤務で正社員と同じ待遇を受けられるといっても、だれにとっても喜ばしい制度とは限りません。

 

たとえば、正社員は業務を遂行するために残業や休日出勤が必要になることもあります。上司からの業務命令であれば原則として断ることはできませんので、仕事より家庭を優先したいという人にとって短時間正社員は負担になる場合があります。

 

働く方のなかには、責任の重い正社員ではなく、あえてアルバイト・パートなどで働きたいという方もいることに注意が必要です。

 

 

デメリット2.経営者にとってはコストがかかる

短時間正社員制度を導入するには、社会保険に加入していることが前提です。社会保険の保険料は雇用主が半額を負担しなければなりません。そのほか、人件費や住宅手当などの福利厚生費もふくらむことになります。

 

このように、短時間正社員制度は家庭の事情や時間的な制約があって働けないという人にとっては有益な方法ですが、「賃金よりも休暇をもう少し自由に取れる職場が望ましい」という人や、「プライベートを大事にしたいのでパート勤務のほうがいい」と考える人もいます。

 

 

次に、そのような女性スタッフたちの離職を防ぐための対策について見てみましょう。

 

 

シフト制を見直してみる

シフト制とは、2週間ごと、1ヶ月ごとというように、一定期間の労働時間と日数を決めて働く形態のことをいいます。

 

シフト制には、店長と従業員が相談のうえ労働時間と日数を決める「固定シフト」と、従業員が自分のスケジュールに合わせて働く日時を申告する「自由シフト」の2パターンがあります。

 

固定シフトのメリットは、働く曜日も時間も固定されていますから予定が立てやすいことです。突発的な出来事が生じたとき、簡単に休みを取ることができないのがデメリットです。

 

自由シフトの場合は、働ける日時を前もって提示しておくもので、まとまった休みが欲しい場合はシフトから外してもらうことが可能です。どちらも一長一短がありますが、学生や主婦の間では自由シフトの希望者が増えています。

 

そのため、女性スタッフの満足度を高めたい、離職率を低下させたいと考える場合には有効となりますので、導入することをおすすめします。

 

 

臨時賞与制度を設ける

スタッフのモチベーションを上げるためには、給与体系の見直しは欠かせません。

 

しかし、定期昇給には法的なリスクが伴うことを知っておく必要があります。就業規則に定められている場合は、一度昇給すれば、業績が悪化したとしても、定期昇給を廃止することは認められないことがあるので要注意です。

 

昇給ではなく、業績が上がったときに支給する「臨時賞与」は、経営者の負担も軽くてすみます。賞与は、スタッフ全員に一律に支給するのではなく、一人ひとりの勤務態度や業績、能力などを正当に評価し、それに応じた額を支給します。

 

臨時賞与を出すことによって、それまでは「売上がどれくらいだろうと私たちには関係ない」という考えだったのが、「売上を伸ばせば評価される。もっと頑張ろう」というプロ意識に変わり、自発的に仕事に取り組むようになります。賞与は一時的に経費がかかりますが、結果的にその何十倍ものリターンを得ることが可能です。

 

 

まとめ

飲食店経営者の中には、慢性的な人手不足に悩まされながらも、「辞めていくならその分を補充すればいい」と考える人もいるようです。

 

しかし、それではいつまでたってもスタッフの接客スキルが向上することはなく、顧客満足度の向上や、お店の繁栄は望めません。飲食業界では「人材」は「人財」と表現するように、従業員の満足度を高め、定着してもらうことが大切です。

 

その中でも、飲食業界においては、お店の「顔」や、サービスの要となる女性スタッフに対する施策は重要です。女性スタッフ一人ひとりが財産と心得て、働きやすい環境に整えてあげましょう。

 

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