近年、受動喫煙対策法が成立したこともあり、2020年に向けて多くの人が集まる施設は原則として「屋内禁煙」となります。さらに違反者には罰則もあるため、宿泊業・飲食店などの「屋内禁煙」に対する分煙などの対策強化が求められています。
そして、喫煙所設置などの分煙対策でもらえる補助金(分煙環境整備補助金)があることをご存知でしょうか。今回は補助金の概要や、補助金をもらうために必要となる対策について解説します。
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分煙環境整備補助金の正式名称は「外国人旅行者の受入れに向けた宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助金」と言い、東京都が行っている補助金制度になります。
東京都では2020年のオリンピック開催に向けて、外国人旅行者が増加することに備えるために都内の宿泊業・飲食業を対象とした分煙対策を進めています。そして、宿泊業者・飲食業者が「喫煙専用室」、「指定たばこ専用室」を設置する必要の一部を補助金にて負担してもらえる制度となっています。
中小飲食店や宿泊施設のうち、以下に該当する事業者が分煙環境整備補助金の対象者となります。
東京都内の飲食店
但し、個人又は中小企業が経営し、大企業が実質的に経営に参加していない店舗に限定。中小企業として認められる飲食店は資本金の額が5,000万円以下、または常時使用する従業員の数が50人以下のどちらか一方を満たす者を指す。
東京都内の宿泊施設
分煙環境整備補助金は東京都が実施している補助金制度です。そのため、東京都内に存在する店舗が対象です。また、対象業種は飲食店、宿泊業に限定されています。
分煙環境整備補助金で負担してもらえる補助金限度額、及び補助の対象となる事業を確認しておきましょう。
「喫煙専用室」・「指定たばこ(加熱式たばこ)専用喫煙室」の設置
・1施設につき、400万円上限
分煙設備の撤去費用
都が平成27年度から平成29年度に実施した「外国人旅行者の受入れに向けた宿泊・飲食施設の分煙環境整備補助金」により整備した分煙設備の撤去等に係る経費
・1施設につき、150万円上限
分煙対策として喫煙専用室を設置する場合の補助金限度額は400万円となります。
分煙環境整備補助金で受けられる補助率は以下の通りです。
|
客席面積が100㎡以下の中小飲食店 |
それ以外の事業者 |
補助率 |
10分の9 |
5分の4 |
つまり、100㎡以下の中小飲食店が総額500万円の喫煙専用室(1施設)を設置する場合の補助対象額は以下の計算で決まります。
補助限度額=500万円×10分の9=450万円>400万円
⇒400万円が補助対象額
平成31年4月1日(月)(2019年4月1日)
*募集期日は後日発表予定であり現状未定
補助対象となる「喫煙専用室」には一定の制限が設けられています。具体的には以下のような点について確認されることになります。
(具体的確認事項)
ア 出入口において、室外から室内に流入する空気の気流が、0.2メートル毎秒以上であること。
イ たばこの煙が室内から室外に流出しないよう、壁、天井等によって区画されていること。
(ア)「壁、天井等」とは、建物に固定された壁、天井のほか、ガラス窓等も含むが、たばこの煙を通さない材質・構造のものをいうこと。
(イ)「区画」とは、出入口を除いた場所において、壁等により床面から天井まで仕切られていることをいい、たばこの煙が流出するような状態は認められないこと。
ウ たばこの煙が屋外に排気されていること。
エ 『喫煙専用室』等が、施設・店の適切な場所に配置されていることほか、事業計画が本事業の目的に照らして適切で、受動喫煙防止対策の進展に寄与していること。
オ 計画が、消防・建築関係法令などに照らして問題ないことを消防署等の所轄庁に確認していること。
カ 本補助事業の結果、当該施設又は店の屋内における前項の室以外の場所が禁煙となること。ただし、条例第19条第1項第2号及び第3号に定める場所(旅館業の施設の客室の場所等)を除く。
キ その他、その時点において効力を有する健康増進法(平成14年法律第103号)、健康増進法の一部を改正する法律(平成30年法律第78号)(以下「法」という。)条例その他、法令諸規則の定めに常に適合(そのために必要となる維持管理を適時行うことを含む。)していること。
分煙環境整備補助金の申請にあたっては補助金交付申請書、事業計画書などの必要書類を作成のうえ、「東京都産業労働局観光部受入環境課(環境整備推進担当)」により郵送する必要があります。
分煙環境整備補助金の申請では事業計画書の内容と、喫煙専用室が規定を満たす設備となっていることの確認が大切です。
分煙環境整備補助金はしっかりとした「事業計画書」、「交付申請書」を作成し、基準を満たす「喫煙専用室」を設置する事業者であれば、比較的受けやすい補助金と言って良いでしょう。
しかし、採択されるためには認められるための事業計画書の作り込みが欠かせません。
アステップ・コンサルティングは数多くの事業者様の事業計画、経営計画作りのサポートをさせていただいた実績があります。また、補助金申請の代行サポートとしても、様々な補助金申請、採択実績があります。
分煙環境整備補助金を検討されているのなら、まずはアステップ・コンサルティングにご相談ください。もちろん、事前のご相談は無料で承っています。
近年、受動喫煙対策法が成立したこともあり、分煙に関する規制は重要度が高まっていくことが予想されます。そのため、宿泊業、飲食業を営む事業者としても分煙対策については十分に検討しておく必要があります。
東京都が実施する分煙環境整備補助金は喫煙専用室を設置する宿泊業者、飲食業者を補助するための施策です。分煙対策を検討している事業者はこの機会を有効活用して分煙対策に取り組んでみてはいかがでしょうか。
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