補助金・助成金サポート

【事業者向け】新型コロナウイルス対策の補助金・助成金・融資制度のまとめ

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2020.06.05
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アステップコンサルティング
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  • 2020
  • 05
  • Jun

2020年6月現在、新型コロナウイルスの感染拡大によって多くの企業や個人事業主が影響を受けています。政府の経済対策として中小企業・小規模事業者(個人事業主)が利用できる補助金・助成金も用意されていますが、解り辛くてなかなか利用できないという方も多いようです。

 

今回は、中小企業・小規模事業者向けに、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を克服し、事業を継続していくために活用できる助成金・補助金・融資制度などを整理してご紹介します。

 

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Contents

持続化給付金

新型コロナウイルス感染拡大対策の補助金・助成金のうち、最も対象範囲が広いと思われるうちの1つが「持続化給付金」です。持続化給付金は、売上高の減少という影響を受けた分を助成金によって補填してもらえる制度です。

 

■持続化給付金の概要

対象となる方

(1)2020年4月1日時点で以下のいずれかを満たす事業者

① 資本金の額又は出資の総額が10億円未満であること。

② 資本金の額又は出資の総額が定められていない場合は、常時使用する従業員の数が2,000人以下であること。

(2) 2019年以前から事業により事業収入(売上)を得ており、今後も事業を継続する意思があること。

(3) 2020年1月以降、新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、前年同月比(注)で事業収入が50%以上減少した月(以下「対象月」という。)が存在すること。

補助額・受給額

前年からの売上減少額。但し、以下が上限

中小企業 200万円

個人事業主 100万円

必要書類

① 前年度の確定申告書

② 売上減少となった月の売上台帳

③ 通帳写し

④ 本人確認資料(個人事業主の場合)

注:計算の対象となる月は、2020年1月から申請月の前月までで、任意の月を選択可能

 

持続化給付金は前年からの売上高減少額を補助してもらえる大変ありがたい給付金です。利益ではなく、売上の減少分を補填してもらえますので、休業を余儀なくされた事業者にも大きな助けとなります。但し、助成の対象となるのは事業を継続する意思がある事業者であるため、廃業を予定している方は対象となりません。

 

なお、持続化給付金で受給額の前提となる「前年からの売上減少額」は以下の計算となります。

売上減少額の計算=前年の総売上(総収入)-(前年同月比▲50%の売上×12ヶ月)

 

上記から解るとおり、売上高の減少幅は年間の実績で計算するわけではありません。50%以上減収となった月(売上が低かった月)を12倍して年間の見込売上高を計算できるのがポイントです。

 

 

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)も対象となる事業者の範囲が非常に広く、申請を希望する方が多いと思われる制度です。雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)は、従業員を休業、もしくは時短勤務させ、休業補償した事業者が受け取れる助成金です。

 

■雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)概要

対象となる事業主

①新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している

② 最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している

③労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている

助成対象となる労働者

・事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当

・学生アルバイトなど、雇用保険被保険者以外の方に対する休業手当も、「緊急雇用安定助成金」の支給対象

助成額

1人1日あたり8,330円が上限(注)

 

*実際の助成額は以下の計算式で計算します。

[平均賃金額(※) × 休業手当等の支払率]× 下表の助成率 (1人1日あたり8,330円が上限)

 

■助成率

区分

大企業

中小企業

新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主

3分の2

5分の4

解雇をしていないなどの上乗せの要件を満たす事業主

4分の3

10分の9

 

なお、中小企業とは以下の定義になります。

・小売業(飲食店を含む): 資本金5,000 万円以下 または従業員 50 人以下

・サービス業: 資本金5,000 万円以下 または従業員 100 人以下

・卸売業: 資本金1億円以下 または従業員 100 人以下

・その他の業種: 資本金3億円以下 または従業員 300 人以下

 

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)は非常に複雑な制度であるため、申請にも手間がかかります。申請方法などは大幅に緩和されたと発表されていますが、それでもまだまだ申請方法は解り辛く、どうすれば良いか苦労されている事業者は多いでしょう。

 

また、度々申請方法が変更されているうえ、厚生労働省のホームページ上では、要件や、申請方法について今でも見直しが予定されているなどと記載されており、詳細が確定していないのが実情です。また、コールセンターなども用意されていますが、ほとんど電話もつながらず、疑問の解消も難しい状況です。

 

雇用調整助成金(新型コロナウイルス感染症特例措置)の申請を希望されている事業者は余裕を持って準備するなど、注意が必要です。

 

 

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金(特別枠)

ここからご紹介する補助金3つは、中小企業庁が実施している代表的な補助金3つです。これらの補助金は毎年、中小企業・小規模事業者の前向きな取り組みに対する費用を補助していましたが、今年度は新型コロナウイルスの対策として特別枠が設けられています。

 

ものづくり補助金は中小企業・小規模事業者が行う設備投資に対して、最大1,000万円までの補助金が受けられる制度であり、中小企業・小規模事業者に人気の高い補助金です。さらに、新型コロナウイルス特別枠では、補助率の大幅な緩和や、優先採択といった優遇が受けられるようになっています。

 

2020年ものづくり補助金

 

■ものづくり補助金(新型コロナウイルス特別枠)の概要

対象となる事業者

①  日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業者

②  単価50万円以上(税抜)の設備投資を行うこと

③ 「革新的な製品・サービス開発」または「生産プロセス・サービス提供方式の改善」に取り組むこと

特別枠に申請できる条件

補助対象経費の6分の1以上が以下のいずれかに合致することが必要

①A類型:サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

(例:部品が調達困難になったため部品を内製化、出荷先の営業停止に伴って新規顧客を開拓等)

②B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと

(例:自動精算機・キャッシュレス端末の導入、店舗販売からEC販売へのシフト、VR・オンラインによるサービス提供等)

③C類型:テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

(例:WEB会議システム等を含むシンクライアントシステムの導入等)

補助額

100万円~1,000万円

補助率

(一般型) 2分の1(小規模事業者は3分の2)

(特別枠)

A類型:3分の2

B類型・C類型:4分の3

申請期限

2020年8月3日(3次締め切り)

以降、11月中にも4次締め切りでの申請が行われる予定

 

新型コロナウイルスの感染拡大に対する資金を活用できるという点だけでなく、ものづくり補助金は「新役務(サービス)の提供」や、「新しい提供方法」に取り組むための設備投資を補助してもらえます。最大1,000万円という規模の投資に活用できるため、対象となる中小企業・小規模事業者の方には、是非、積極的に活用していただきたい補助金となります。

 

>>ものづくり補助金(新型コロナウイルス特別枠)の制度詳細と申請方法のまとめ

>>アステップのものづくり補助金申請サポートサービス

 

オンラインコンサルティングサービス

 

IT導入補助金(C類型・特別枠)

IT導入補助金も従来から存在する補助金制度であり、ITツールを導入して生産効率の向上に取り組む中小企業、小規模事業者を支援するための補助金です。

 

IT導入補助金も従来から存在するものに加えて、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を乗り越えるための特別枠(C類型)が設けられ、優先採択されるように仕組みが作られています。

 

■IT導入補助金(C類型・特別枠)の概要

対象となる事業者

①日本国で登録されている個人または法人であり、日本国内で事業を行っている

②交付申請の直近月において、事業場内の最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること

③事業計画期間において給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させ、地域別最低賃金+30円以上の水準とする計画であること

④中小企業・小規模事業者

⑤SECURITY ACTIONの「一つ星」要件に取り組むこと

⑥労働生産性の伸び率向上について、年率平均3%以上となる事業計画を作成すること

特別枠に申請できる条件

補助対象経費の6分の1以上が以下のいずれかに合致することが必要

①甲:サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

②乙:非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと

③丙:テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

補助額

30万円~450万円

補助率

C類型-1(甲ツールのみ導入)3分の2

C類型-2(乙又は丙のどちらか1つ以上を導入)4分の3

申請期限

2020年5月29日

2020年6月12日

2020年6月26日

2020年7月10日

補助対象経費区分

ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費

 

IT導入補助金を活用すれば、生産性向上、業務効率改善を図るためにITツール(ソフトウェアなど)の導入を補助率3分の2~4分の3、最大450万円まで支給してもらうことができます。また、一般型のIT導入補助金では対象にならないECサイトの構築も、新型コロナウイルス特別型(C類型)では対象になります。

 

 

小規模事業持続化補助金(コロナ特別対応型)

従来の小規模事業者持続化補助金は、上限額が50万円以下と小口ですが、採択率は8割~9割程度で推移するなど、比較的利用しやすい補助金として有名です。こちらの小規模事業者持続化補助金にも新型コロナウイルスに対応する特別枠(上限額100万円に緩和)が設けられています。

 

小規模事業者持続化補助金の対象となる小規模事業者とは従業員数をもとに判定され、以下が補助金の対象となります。

小規模事業者とは?

「製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(会社<企業組合・協業組合を含む>および個人事業主)」であり、常時使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下)

 

なお、小規模事業者持続金が対象とする資金使途は「販路開拓など」であり、ホームページの制作や、展示会への出展、広告費などが対象となります。

 

■小規模事業持続化補助金(コロナ特別対応型)の概要

対象となる事業者

①小規模事業者であること

「製造業その他の業種に属する事業を主たる事業として営む商工業者(会社<企業組合・協業組合を含む>および個人事業主)」であり、常時使用する従業員の数が20人以下(商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)に属する事業を主たる事業として営む者については5人以下)

②商工会の管轄地域内で事業を営んでいること。*商工会・商工会議所の会員でなくとも申請可能

③策定した「経営計画」に基づいて実施する、地道な販路開拓等(生産性向上)のための取組であること商工

特別枠に申請できる条件

補助対象経費の6分の1以上が以下のいずれかに合致することが必要

①A類型:サプライチェーンの毀損への対応

顧客への製品供給を継続するために必要な設備投資や製品開発を行うこと

②B類型:非対面型ビジネスモデルへの転換

非対面・遠隔でサービスを提供するビジネスモデルへ転換するための設備・システム投資を行うこと

③C類型:テレワーク環境の整備

従業員がテレワークを実践できるような環境を整備すること

補助額

~100万円

補助率

A類型:補助対象経費の3分の2以内

B類型・C類型:補助対象経費の⒋分の3以内

申請期限

2020年5月15日

2020年6月5日

2020年8月7日

2020年10月2日

補助対象経費

① 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費

② 原則、交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費

③ 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費

 

なお、ものづくり補助金と小規模事業者持続化補助金には、通常の補助額に加えて、事業再開枠として50万円の特別部分が設けられています。この事業再開枠とは、それぞれの補助金で採択された事業者を対象として、事業を再開するための消毒、換気装置などの購入費用を負担してもらえる補助金です。

 

事業再開枠は業種ごとに補助対象経費は異なりますが、+αとして利用できる補助金になります。

 

>>小規模事業持続化補助金(コロナ特別対応型)の制度詳細と申請方法のまとめ

 

小規模事業者持続化補助金

 

資金繰り支援策(融資)

補助金、助成金のように「返還不要」の資金ではありませんが、資金繰り対策として比較的利用しやすい融資制度も設けられています。新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けた事業者が利用できる融資としては、日本政策金融公庫や商工中金が行う「新型コロナ感染症特別貸付」や、信用保証協会のセーフティーネット保証などが該当します。

 

いずれの融資でも、要件に該当(売上高が一定以上減少など)すれば、審査に通りやすい、保証料や利息の実質負担なし、もしくは一部を補助、元金返済に対する据え置き期間(5年まで)などが受けられます。さらに、既にこれらの金融機関からの通常融資を利用していても、別枠として借入できるのが特徴です。

 

以下では、日本政策金融公庫や商工中金の代表的な新型コロナウイルス対策融資をご紹介します。

 

 

コロナ対策 個人事業主向け融資制度

コロナ対策 小規模事業者向け融資制度

 

■日本政策金融公庫(新型コロナウイルス感染症特別貸付)

ご利用いただける方

新型コロナウイルス感染症の影響を受け、一時的な業況悪化を来している方であって、次の1または2のいずれかに該当し、かつ中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれる方

 

最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している方

業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合等は、最近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方

(1)過去3ヵ月(最近1ヵ月を含みます。)の平均売上高

(2)令和元年12月の売上高

(3)令和元年10月から12月の平均売上高

融資限度額

中小企業6億円

国民事業8,000万円

利率(年)

基準利率。ただし、3,000万円を限度として融資後3年目までは基準利率-0.9%(注)、4年目以降は基準利率。無利息となる条件あり

担保

無担保

資金使途

新型コロナウイルス感染症の影響に伴う社会的要因等により必要とする設備資金および運転資金

 

■商工中金(新型コロナウイルス感染症特別貸付)

ご利用いただける方

新型コロナウイルス感染症の影響を受け一時的な業況悪化を来たし、次の①又は②のいずれかに該当し、かつ、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる方

①直近1カ月の売上高が、前年又は前々年の同期比5%以上減少している方

②業歴が3か月以上1年1か月未満の場合や、店舗増加や合併、業種転換等により前年(前々年)同期と単純に比較できない場合等で、直近1ヵ月の売上高が次のいずれかと比較して5%以上減少している方

a.過去3か月(直近1か月を含む。)の平均売上高

b.令和元年12月の売上高

c.令和元年10~12月の平均売上高

融資限度額

6億円以内

利率(年)

商工中金所定の利率(下限は日本公庫の基準金利(2020年5月29日)

担保

無担保

資金使途

運転資金、設備資金

 

■日本政策金融公庫(新型コロナウイルス対策マル経融資)

マル経融資とは商工会議所・商工会・都道府県商工会連合会の経営指導員による経営指導を受けた小規模事業者に対して、日本政策金融公庫等が無担保・無保証人で融資を行う制度です。

 

ご利用いただける方

最近1か月の売上高が前年または前々年の同期と比較して5%以上減少している小規模事業者の方

融資限度額

別枠1,000万円

利率(年)

経営改善利率1.21%(令和2年5月1日時点)より当初3年間、▲0.9%引下げ

担保

無担保・無保証人

資金使途

運転資金、設備資金

 

■日本政策金融公庫(セーフティネット貸付)

ご利用いただける方

「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象として拡大適用されています。

融資限度額

中小事業 7.2億円、国民事業4,800万円

利率(年)

基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%

資金使途

運転資金、設備資金

 

■民間金融機関における実質無利子・無担保融資

ご利用いただける方

「売上高が5%以上減少」といった数値要件にかかわらず、今後の影響が見込まれる事業者も含めて融資対象として拡大適用されています。

融資限度額

中小事業 7.2億円、国民事業4,800万円

利率(年)

基準金利:中小事業1.11%、国民事業1.91%

資金使途

運転資金、設備資金

*2020年6月5日時点

 

まとめ

2020年6月時点において、新型コロナウイルス感染拡大の影響を乗り越えるための助成金、補助金、融資などが設けられています。今回の新型コロナウイルスの影響は大きく、リーマンショックなみの経済への打撃も懸念されるなか、これらの制度を最大限活用して生き残りを図っていくことが必要です。

 

また、ものづくり補助金や、小規模事業者持続化補助金などは、活用すれば新規事業への転換や、販路開拓など、事業を成長させていくことのできる資金ともなります。これらの補助金、助成金を最大限活用することは、現在の環境を乗り越えるためにも大切なこととなっています。

 

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